◇墓じまいから散骨までの流れとは?改葬の費用相場や手続きについて
「お墓が遠くて、お墓参りになかなか行けない」
「お墓参りに行けなくて、お墓が荒れてしまった」
そんな悩みをお持ちではありませんか。
お墓というかたちにこだわらない方は、墓じまいを検討してみるとよいでしょう。
もし故人が自然を好きであったなら、散骨を考えてみるのもおすすめです。
この記事では、墓じまいから散骨までの流れについて解説していきます。
今あるお墓をどうするか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
墓じまいとは、現在のお墓を撤去して別の場所・方法で供養することです。
お墓のあった場所は更地にして、墓地の管理者に使用権を返さなければいけません。
衛生行政報告例の統計によると、改葬件数は、2016年度は97,317件、2021年度は118,975件となっています。
この5年で2万件以上も増えており、墓じまいは年々増加傾向にあります。
現在のお墓を撤去するのは、手間のかかる作業です。
それにも関わらず、なぜ墓じまいをする人は増えているのでしょうか。
一番大きな理由は、時代背景の変化です。
近年は少子高齢化・核家族化が進んでいます。
墓守をしている方は高齢化が進み、お墓参りに行けず管理ができなくなっています。
また子世代は就職で地元を離れる方が増えており「墓守をできない」「遠方でお墓参りをする機会がない」といった方が多いです。
維持費も負担が大きいことから、墓じまいをして次世代への負担を軽くしたいと希望する方が増えています。
現在のお墓からとりだした遺骨は、新たな方法で供養しなければいけません。
新たに供養する方法として、散骨を選択する方が増えています。
散骨とは、粉末化した遺骨を海や山などに撒く葬法です。
散骨であればお墓をもたないので、管理が不要です。
さらに維持費もいらないことから、次世代に負担をかけない葬法として注目を集めています。
結論からいうと、散骨は違法ではありません。
なぜなら散骨に関する法律が存在しないためです。
しかし「遺骨を撒く行為は遺骨遺棄罪にあたらないのか」と疑問に思う方もいるでしょう。
法務省は1991年、散骨について次のようなコメントを発表しています。
「散骨は葬送のための祭祀として節度をもって行われる限り遺骨遺棄罪(刑法190条)に違反しない」
非公式ではありますが、この見解をもとに現在は散骨が行われています。
このコメントにもあるように、節度を持って行うことが大切です。
法律で規制されていないからといって、無暗に散骨してはいけません。
人目につかない場所で最低限のルールを守りながら散骨しましょう。
散骨の種類は大きく5つに分けられます。
ここでは、それぞれの散骨方法について解説していきます。
海洋散骨は、遺骨を海へ撒く散骨方法です。
生前、海に関わる仕事をしていた方や釣りが趣味だった方が選ぶことが多いです。
海水浴場や漁業といった生活圏で散骨するのはマナー違反となるため、船で沖から離れた場所で散骨します。
船をチャーターする必要があるので、専用業者に依頼するのが一般的です。
プランは船を貸切る「個別散骨」と複数のご遺族で乗り入れる「合同散骨」があります。
また業者によっては、散骨自体を依頼できるところもあります。
山林散骨は、遺骨を山へ撒く散骨方法です。
生前に登山が好きだったり、自然が好きだったりする方が選択する傾向にあります。
遺骨を山に撒くだけなので、作業がしやすい散骨方法と言えます。
しかし山には所有者がいるため、その方に許可を得て散骨しなければいけません。
個人では所有者とのやり取りが難しいため、専門業者へ依頼したほうがよいでしょう。
空中散骨は、ヘリコプターやセスナ機から遺骨を海へ撒く散骨方法です。
航空事業に関わっていたり、飛行機が好きだったりする方が選ぶケースが多いです。
飛行禁止エリアでなければ、希望する海域に散骨できます。
またご遺族が同乗して散骨を行えば、故人との思い出の場所を巡ることもできます。
航空機に乗るという特別な時間を過ごせるため、思い出に残る方が多いようです。
ただし航空機をチャーターする必要があるので、他の散骨より割高となります。
また空中散骨は低空飛行で実施されることが多く、天候に影響されやすいという点にも注意が必要です。
バルーン散骨は、大きなバルーンに遺骨を入れて飛ばす散骨方法です。
空や星が好きだったり、大空を飛んでみたかったりする方が選択される場合が多いです。
バルーンは成層圏に入ると気圧の変化で割れて、遺骨が散らばります。
遺族が自分の手でバルーンを飛ばすこともできるので、思い出になるでしょう。
希望があれば夫婦や兄弟といった家族の遺骨を一緒に飛ばすこともできます。
宇宙散骨は、ロケットでご遺骨を宇宙へ撒く散骨方法です。
宇宙に憧れていたり、宇宙に行ってみたいと思っていた方が選ぶ傾向にあります。
ご遺骨をカプセルに入れてロケットで打ち上げたり、ロケットの空きスペースにご遺骨を同乗させたりするプランがあります。
中にはNASAの月面探査機に遺灰を乗せて、月面に散骨してもらうという驚きのプランもあります。
時代の変化によって、選択する方が増えている散骨ですが、散骨が具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
墓守を継承した場合、お墓が荒れないように定期的に管理しなければいけません。
また維持費の支払いといった負担もかかります。
その点、散骨であればお墓がないため管理が不要です。
定期的にお墓参りをする必要もないため、お墓のことを気にせず転居できるのもメリットです。
葬法を選択する時、一番大切なことは故人の遺志です。
一昔前であれば、散骨を認めない方がほとんどでした。
しかし近年では散骨業者も増えており、散骨に対してのイメージも変わりつつあります。
故人の「自然に還りたい」「お墓に入りたくない」といった希望を叶えられるのは、大きなメリットといえます。
従来のお墓を建てる場合は、墓石や土地代がかかるため、高額になってしまいがちです。
さらに寺院にお墓を建てる場合、お布施や寄付、維持費が必要となるケースもあります。
散骨であれば最初に支払う散骨費用のみで済むため、費用を抑えられます。
金銭的余裕がない方や次世代に負担をかけたくない人にとって、メリットといえるでしょう。
維持費もかからないため、費用を抑えられるのも魅力です。
お寺や霊園のお墓は土地を借りているだけで、購入したわけではありません。
そのためもし万が一お寺や霊園が破産した場合は、遺骨を引き取らなければいけません。
遺骨を返されてもそのまま放置するわけにはいかず、また新たな受け入れ先を探すことになります。
新たなお墓を作るにはまた費用がかかったり、手続きが必要になったりしますが、散骨であればそういった心配がありません。
散骨にはさまざまなメリットがある一方で、デメリットもあります。
ここでは散骨のデメリットについて、まとめていきます。
お墓がないため、命日や故人に会いたいという気持ちになった時、お墓参りができません。
お墓参りのために親族が集まっていた場合、そういった集まりもなくなるでしょう。
また故人の遺志を尊重できても、散骨場所が遺族にとってゆかりのない場所である場合、遺族は寂しい気持ちを抱える可能性もあります。
お墓に故人の遺骨が眠っていることは、遺族にとって大きな慰めとなります。
故人に会いたくなった時、お墓参りに行けるためです。
散骨してしまうと遺骨が手元に戻ってくることがないため、遺族が後悔するというケースがあります。
散骨は最近増えてきた葬法のため、親族から理解してもらえない場合があります。
特に高齢の方は、お墓にこだわりを持っている方も多いです。
散骨する前に親族から理解を得るために、しっかりと話し合いをすることが重要となります。
ここまでメリットとデメリットをご紹介してきました。
これらの点を踏まえたうえで、散骨が向いている方は、以下のような方たちです。
近年では、生前に散骨を申し込むプランもあります。
自分の遺骨を散骨したいと考えている方は、事前に家族や親族と話し合っておきましょう。
墓じまいをしたいと考えても、流れが分からない方は多いでしょう。
ここでは、墓じまいから散骨までの流れについて解説します。
墓じまいや散骨について、必ず家族や親族に相談しましょう。
お墓には先祖代々の遺骨が眠っているため、親族にも深く関わる事柄だからです。
なかなかお墓参りができなくても、お墓を残しておきたいという親族もいるでしょう。
墓じまいと散骨をしたい事情を理解してもらえるように、話し合いを重ねましょう。
親族からきちんと同意を得ることで、トラブルを避けることができます。
墓じまいを行うことを、墓地管理者に伝えましょう。
ただしお寺にお墓がある場合は「墓じまいを行うことにしました」と決定事項として伝えるのはやめたほうが無難です。
お寺に先祖代々お世話になっていた場合は、角が立つことがあります。
円満に離檀するためにも、まずは相談するかたちをとりましょう。
墓じまいを進めることになった場合は、今までお世話になった感謝の意を伝えるようにしましょう。
今あるお墓の墓石を撤去・解体してくれる石材店を探しましょう。
一般の解体業者ではなく石材店であれば、地下の納骨室や墓石の知識があるため安心です。
できれば複数の石材店から見積もりをとって比較するとよいでしょう。
ただし墓地によっては業者が指定されている場合があるので、事前に墓地管理者に確認しておきましょう。
散骨は資格等が必要ないため、個人でも行えます。
しかし散骨する際は、遺骨をパウダー状に粉骨しなければいけません。
粉骨作業は、精神的にとても辛い作業です。
散骨業者に依頼すれば、粉骨作業を行ってくれる業者がほとんどなので、自分で作業せずに済みます。
また専門業者は散骨独自のルールも知り尽くしているため、トラブルを未然に防げます。
故人の遺骨を悔いなく散骨するためにも、散骨は専門の業者へ依頼しましょう。
散骨業者に依頼する際は、書類の提出が必要です。
遺骨の身元を証明する書類として「火葬証明書」や「埋葬許可証」の提出を求められます。
業者によって必要書類が異なるので、どういった書類が必要かを事前に確認して、準備しておきましょう。
墓じまいの後、遺骨を別の供養先に移す場合、「改葬許可証」が必要です。
しかし散骨の場合は改葬に当たらないため、許可証が不要な場合もあります。
事前に自治体に許可証が必要かを確認しておきましょう。
また自治体によっては散骨の独自のルールを設けていることがあります。
例えば海洋散骨の場合、静岡県伊東市では「伊東市の陸地から6海里以内の海域では散骨しない」という指針が制定されています。
希望している散骨方法が自治体で許可されているのか、事前に確認しておきましょう。
改葬や墓じまいを行う止めにはいくつかのお手続きと用意しなければならない書類などがあります。
閉眼供養とは、お墓に込められている仏様の魂を抜く儀式です。
一般的には家族などの身内だけで行うもので、住職にお墓の前で読経してもらいます。
お墓をただの墓石にもどすという意味も込められており、閉眼供養を行わないと石材店が墓石の撤去・解体作業を請け負ってくれない事があります。
墓じまいを円満に終わらせるためにも、きちんと閉眼供養を行いましょう。
閉眼供養が終了したら、墓石の撤去・解体工事を進めます。
閉眼供養と別日でも問題ないので、都合の良い日に行いましょう。
遺骨を取り出す作業も、石材店のスタッフか墓地管理者に任せましょう。
取り出した遺骨は、散骨業者に引き渡すまで家族が管理しなければいけません。
直射日光が当たらず、湿気が少ない場所で保管しておきましょう。
お墓から取り出した遺骨を散骨業者へ引き渡します。
手渡しができない場合は、郵送となります。
遺骨を郵送しても大丈夫かと心配になるかもしれませんが、日本郵便のゆうパックでのみ郵送が許可されているので安心です。
骨壺のフタが外れないように、ガムテープでしっかりと留めておきましょう。
緩衝材やスポンジ等を入れて割れないようにすることも大切です。
業者によっては郵送セットなどを販売しているので、散骨業者に相談して郵送しましょう。
お墓に納められていた遺骨は水分を含んでいるため、乾燥させてからパウダー状に粉骨します。
この際、骨と分からないくらいの大きさまで粉骨する必要があります。
骨だと分かる状態で散骨すると、事件化してしまう恐れがあるためです。
粉骨の作業は散骨のプランに含まれていることがほとんどなので、業者に作業を依頼しましょう。
散骨を実施する日がきたら、散骨業者のスタッフの指示にしたがって散骨しましょう。
自然に還る副葬品や飾りなどであれば、故人を偲んで一緒に散布することも可能です。
例えば海洋散骨であれば、水溶性のペーパーフラワーやリボンを一緒に散布できます。
散骨後に故人を偲んで、好きな音楽を流したり会食できたりするプランもあります。
故人の希望する方法で散骨したいけれど、費用が足りるか心配される方もいるでしょう。
ここでは、墓じまいや散骨にかかる費用の相場についてお伝えします。
墓じまいにかかる費用は、おおよそ15万円〜40万円です。
具体的な内訳をまとめていきます。
一般的な墓石の撤去と更地にしてもらう費用は、約15万円〜30万円(地域によって前後します)といわれています。
ただしイレギュラーな対応が必要な場合は、追加料金が発生する場合があります。
例えば通路が狭くて重機が入れない場合や、一区画に複数の石碑があり、墓石をいくつも移動させなければいけない場合などです。
事前にお墓の様子を伝えて、追加費用が発生しないかを確認しておくとよいでしょう。
閉眼供養を行う際は、僧侶を呼んで読経してもらわなければいけません。
その際、僧侶にお布施を支払うのが一般的で、相場は約3〜5万円といわれています。
寺院墓地の場合は、離檀料が発生します。
相場は3万円〜20万円と言われていますが、寺院によって異なるので注意が必要です。
もし可能であれば、事前に親戚や石材店のスタッフに相談して、お墓のある寺院の離檀料の相場を確認しておくとよいでしょう。
離檀料は長らくお世話になったお礼の意味を込めているので、感謝の気持ちを伝えて手渡しましょう。
散骨費用は、種類によって大きく異なります。
ここでは、種類ごとの費用についてまとめていきます。
海洋散骨は「参加型散骨」と「代行型散骨」の2つに分けられます。
「参加型散骨」は、家族も一緒に乗船して散骨を行うタイプです。
遺族1組で船を貸切る場合は、おおよそ20~30万円の費用がかかります。
複数の遺族で乗り合わせる場合は、10~20万円と少し費用が安くなります。
「代行型散骨」は散骨を業者に代行してもらうタイプです。
遺族を乗せないため大型船を用意する必要がないため、費用は5万円ほどと格安になります。
山林散骨は費用が10〜15万円程度と安い傾向にあります。
業者にすべて依頼する場合は10万円ほど、散骨する場所を指定する場合は15万円ほどとなります。
山林は歩いて行けるので、個人で散骨したいと考える方もいるかもしれません。
しかし山林は私有地の場合が多く、勝手に散骨するとトラブルに発展する恐れがあります。
そのためきちんとした業者に依頼したほうがよいでしょう。
空中散骨はヘリコプターやセスナ機をチャーターしなければいけません。
そのため費用相場は30〜60万円と割高になっています。
機体によって同乗人数が変わるので、事前に確認しておきましょう。
バルーン散骨の費用は、おおよそ20万円〜30万円が相場といわれています。
飛ばす場所を指定したり、遠方を希望する場合は、別途出張料がかかることもあります。
他にもバルーンを華やかに装飾する場合は、オプション料金がかかることもあるので注意しましょう。
宇宙散骨は、プランによって費用が異なります。
ロケットに搭載する場合は約50万円、人工衛星に遺骨を乗せる場合は約100万円が相場といわれています。
また月面に送るプランは、120万円ほどかかるとされています。
搭載する遺灰のグラム数によっても料金が変わってくるので、宇宙散骨を行う際は事前の打ち合わせや見積もりの確認が必要となります。
散骨は故人とお別れをする最後の場面なので、後悔のない内容にしたいですよね。
そのためにはきちんと対応してくれる散骨業者を選ぶことが大切です。
ここでは、散骨業者を選ぶ時のポイントをお伝えします。
どういった内容でどれくらいの費用がかかるのか、分かりやすい業者を選びましょう。
あまりにも安すぎる場合は、注意が必要です。
基本料金しか明記されておらず、後からオプションの料金を請求されるといったトラブルに発展することもあります。
契約する前に見積もりをもらい、内訳をきちんと明記してもらうようにしましょう。
遠方で足を運べない場合は、お店が実在しているかを必ず確認しましょう。
電話してスタッフとやり取りをしたり、ホームページの所在地を確認したりすることが大切です。
所在地が分かった後は、GoogleMapのストリートビュー機能を使って、店舗が実在するか見てみましょう。
郵送で遺骨を送付する場合、どんな場所で粉骨作業をするのか分かれば安心できます。
できれば法人化で営業している会社を選ぶとよいでしょう。
散骨業者とトラブルになる原因の多くは、業者の説明不足です。
きちんとした説明があれば「高い費用を請求された」「思っていた内容をしてくれなかった」といったトラブルは避けられるでしょう。
電話や会って相談した時に、親身に応対してくれる業者を選ぶことが大切です。
特にデメリットや不利益などもきちんと説明してくれれば、より安心できます。
後悔しない散骨にするためにも、親身に相談にのってくれる業者を選びましょう。
散骨をする方が増えてはいるものの、遺骨はお墓に埋葬するものと考える方もまだまだ大勢います。
そのため散骨を行う際に、トラブルになることがあります。
ここでは散骨で起こりやすいトラブルについてお伝えします。
高齢者の方は、先祖から代々引き継がれてきたお墓を大事に考える方が多いです。
遺骨はお墓に埋葬するのが当然だという価値観で育ってきたため、散骨自体を理解しがたい行為だと捉える方もいるでしょう。
そういった親族のことを考えずに無理やり墓じまいや散骨をすると、親族間のトラブルに発展してしまう恐れがあります。
散骨をすると決める前に、親族とよく話し合いましょう。
「お墓参りができない」「負担を減らしたい」といった理由で散骨を選ぶ方は多いでしょう。
さまざまな事情で散骨すると決めたとしても、いざ実行すると後悔してしまうことがあります。
お墓と遺骨がなくなり、故人と離れ離れになってしまったような気持ちになってしまうことがあるためです。
そういったことにならないためにも、墓じまいや散骨については充分に考えて決めることが必要です。
散骨は一度行うと、遺骨を元に戻すことはできません。
そのため他の改葬方法と照らし合わせて、慎重に検討することが大切です。
ここでは、散骨以外の改葬方法と費用の相場についてお伝えします。
永代供養墓はお墓参りに行けない親族の代わりに、寺院や霊園がお墓の管理・供養をしてくれます。
永代供養墓は「合祀墓」「集合墓」「個人墓」の3つに大きく分けられます。
「合祀墓」は複数の遺骨を一箇所にまとめて埋葬するお墓です。
遺骨を骨壺から取り出してまとめて埋葬するため、管理も容易であることから3万円~10万円ほどと安価となっています。
「集合墓」は遺骨を骨壺にいれたまま、一箇所にまとめて埋葬するお墓です。
遺骨をまとめないため、埋葬後も遺骨を回収できるシステムになっていることから、費用は10万円~20万円となっています。
「個人墓」は一定の期間だけ一般墓で埋葬するお墓です。
通常のお墓と見た目は変わりませんが、契約期間が終わると墓石は撤去されます。
従来のお墓が必要なため墓石代がかかることから、40~120万円と高額になっています。
納骨堂は遺骨を安置できる屋内型の施設です。
立地がよい場所に建てられる場合が多く、天候にも左右されないのが魅力です。
納骨堂は「ロッカー型」「仏壇型」「自動搬送型」という3つのタイプに分けられます。
「ロッカー型」はロッカーのような狭い場所に骨壺を安置できます。
費用は20万前後が相場です。
「仏壇型」は、狭いスペースに仏壇が置かれており、手を合わせてお参りできます。
家族で複数人分を納骨できるため、30万円〜50万円ほど費用がかかります。
「自動搬送型」はカード認証すると、希望の骨壺が自動的に呼び出されるタイプです。
高度なシステムが必要なため、50万円〜100万円ほどと高額になっています。
樹木葬は寺院や霊園が指定した樹木の下に納骨する方法です。
桜やハナミズキといった綺麗な花を咲かせる樹木が選ばれます。
樹木葬は「合祀型」と「個別型」の2つに分けられます。
「合祀型」は複数の遺骨をまとめて埋葬する方法です。
スペースが狭くて済むため、相場は約3万円〜20万円です。
「個別型」は遺骨を個別に骨壺に入れたまま埋葬する方法です。
スペースがそれぞれ区分けされており土地が広く必要になるため、相場は15万円~60万円と少し高くなります。
手元供養は遺骨を自宅に保管したり、加工して身につけたりする供養方法です。
自宅でお参りするスペースを作りたい場合は、手元供養用の小さな仏壇を購入するとよいでしょう。費用は3万円〜10万円が相場です。
他にも遺灰をペンダントに入れる「遺骨ペンダント」も人気です。
遺骨の一部を身につけておくことで、故人をいつでも身近に感じられます。
費用の相場は1万円〜3万円ですが、ダイヤモンドなどの装飾を付ける場合は付ける場合は高額になることもあります。
お墓を管理できなくなり、墓じまいして散骨をする方が増えています。
散骨はお墓を管理できない方にとって、画期的な改葬方法です。
お墓の管理が必要なく、墓石代や維持費といった費用の負担を減らせるためです。
しかし高齢の方は、先祖から受け継がれてきたお墓を大事に思う方が多いです。
散骨は一度行ってしまうと、遺骨を戻すことはできません。
気持ちよく故人を送り出すためにも、家族や親族とよく話し合ってから決めましょう。