◇散骨と法律
海洋散骨など散骨をお考えの方の中には「散骨は違法ではないのか?」と疑問を持たれる方や不安に思われている方がいらっしゃるのではないのでしょうか?実際そういったご相談をお受けすることが多々あります。 では、結論から言わせていただきますと、海洋散骨などの散骨は違法ではありません。 しかし違法ではないからと言って、なんでもいいのかというとそうではないのです。散骨には周りの方々へ配慮するためのルールやマナーがあります。 散骨というのは人の死に関わるセレモニーであり、デリケートなものでもあります。誰もが共通して使うことができる「自然」へ還すことなので、散骨の場所や、周囲の方々の協力が必要不可欠なのです。 そのためにルールやマナーを守って正しく散骨を行わなければなりません。
ご遺骨の取り扱いについては墓地、埋葬等に関する法律の「墓埋法」というものがあり、同法4条によれば「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。」とありますが、この規制対象は遺骨を遺棄したり埋蔵したりする場合なので、散骨をそのものを規制するものではありません。(遺骨を遺棄した場合、遺骨遺棄罪(刑法190条)にあたります) ではなぜ散骨は違法ではないのかというと、1991年10月5日神奈川県・三浦半島沖の相模灘で行われた海洋散骨に際して、法務省刑事局が非公式ながら「節度をもって葬送の一つとして行われる限りは違法ではない」という趣旨の見解を述べたとされているからです。
散骨は違法ではないとご説明しましたが、違法ではないからと言って自分のやりたいように散骨を行ってはいけません。法律はなくともルールは存在します。 例えば、海洋散骨ではご遺骨を2mm以下へ粉骨をしてからでなければなりません。これは自然や環境への配慮だけではなく、ご遺骨を廃棄物としないためでもあるのです。 適切な手順を踏んで、誰もが納得できる散骨にしましょう。