◇送骨とは?遺骨を送る際の注意点や流れ、費用相場について

送骨とは、寺院などにご遺骨を送り、供養してもらう方法を言います。

遠方にいても利用できるため、コロナ化以降需要が高まっている供養方法です。

 

お墓に埋葬するよりも安く済ませられますが、合祀墓を選んだ際はあとから改葬ができないなどいくつか注意点があります。

 

そこで今回は、送骨についてご紹介します。

送骨の費用や注意点などが気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

送骨とは

送骨とは、ご遺骨を寺院などに送り永代供養をお願いする方法です。

近年では、墓じまいをする方が増えており需要が高まっています。

 

送骨を利用する方の主な特徴は、以下の通りです。

 

  • お墓の管理ができない
  • ご遺族が高齢で納骨が難しい
  • お墓が遠方にあり、足を運ぶのが難しい
  • 自宅に遺骨があり供養に困っている
  • 後継者がおらず永代供養がしたい

 

ご遺族でお墓の管理をするのが難しく、永代供養ができる寺院などに送骨し供養してほしいと考える方が多い傾向にあります。

 

また、送骨の手順は、以下のように進めます。

 

  1. 送骨制度が利用できる永代供養先を選定する
  2. 送骨キットに遺骨と納骨に必要な許可証を同梱する
  3. 遺骨を配送し納骨する

 

必要書類は利用する寺院や仲介業者によって異なるため、よく確認しましょう。

納骨の際は、ご家族の立ち合いは必要ありません。

利用場所によっては納骨通知を送ってくれたり、お墓参りの時期などに訪問を許可してくれたりと良心的なところもあるでしょう。

 

なお、遺骨の郵送は郵便法の郵便禁制品には当てはまらないため、ご安心ください。

 

供養のための3つの送骨方法とそれぞれの費用

送骨方法は、主に以下の3つがあります。

 

送骨方法

料金

寺院に直接送骨する

永代供養料と納骨費用で30,000円

送骨キットの送料1,000円、代引き手数料650

NPO法人を利用する

永代供養料30,000円

民間業者を利用する

25,000円~50,000円

 

業者や団体を利用せずに送骨をしたい方は、寺院に直接ご遺骨を送るスタイルがおすすめです。

お布施が必要な寺院や送骨する際の送料の自己負担、お坊さんに引取納骨をお願いする場合は交通費の負担など別途料金がかかる場合があるため注意しましょう。

 

次に、NPO法人を利用する方法です。

送骨キットを受けとり、NPO法人が指定する寺院墓地へ直接送付します。

後継者がいない方が無縁仏になるのを防ぐのが目的で、ほかの送骨方法よりも費用が安いのが特徴です。

審査なしで誰でも利用可能な点が大きなメリットです。

 

また、民間業者を利用すれば、送骨キットを依頼したあと指定内の寺院や霊園へ直送してもらえます。

仲介業者を利用した送骨方法のため金額はかかりますが、難しい手続きなどの手間を省けるため、忙しい方におすすめです。

 

送骨するための送料は業者によって異なるため、しっかりとチェックしましょう。

 

送付先の供養方法によって費用が異なる

送骨では、送付先の供養方法の違いで費用が大幅に変化するのも特徴です。

4つの代表的な供養方法を比較してみました。

 

供養方法の種類

特徴

金額

合祀墓

骨壺から取り出し他の人の遺骨と一緒に埋葬

50,000円~300,000円

集合個別墓

骨壺のまま他の人の遺骨と同じ区画に安置

200,000円前後

納骨堂

屋内の収蔵施設に遺骨を安置

200,000円~1,800,000円

樹木葬

墓石の代わりに桜などの樹木を植え埋葬

300,000円~700,000円

 

集合個別墓や納骨堂は、遺骨をとりあえず安置したい方でも利用可能です。

ただし、寺院によっては安置期間が定められている場合があるため注意しましょう。

また、それぞれの施設ごとにかかる金額は大幅に異なるため、気になる寺院や法人などに直接連絡をして、確認するのがおすすめです。

 

送骨のメリット

送骨のメリット

送骨のメリットは、主に以下の通りです。

 

  • 供養にかかる費用が抑えられる
  • 遠方でも利用できる

 

それぞれについて詳しく解説します。

 

供養にかかる費用が抑えられる

送骨は、お墓を建てて埋葬するよりも費用を抑えられるのが嬉しいポイントです。

 

一般的なお墓の建立には、少なくとも150万円ほどかかると言われています。

また、埋葬費用には葬儀代などで別途100万円ほどかかるため、合わせると250万円の出費となります。

 

それに比べて送骨サービスは、合祀墓であれば5万円前後で利用できるため、かなり良心的な価格と言えるでしょう。

 

遠方でも利用できる

送骨は、全国どこからでも利用が可能です。

 

例えば、お墓が遠方にある方は、お墓参りをするための交通費が嵩みます。

遺骨を持参して移動するのは大変で、飛行機などに持ち込むのも一苦労するでしょう。

 

送骨は、送付方法をきちんと守ればどんな方でも利用でき、宿泊費などの経費もかからないため余計な出費もありません。

送骨を利用する前にチェックしておきたいポイント

送骨を利用する前にチェックしておきたいポイント

送骨をする前には、家族での話し合いや送付前の確認が大切です。

親族で気持ちよく送骨を利用するためにも、ポイントを確認してから送骨の手続きを進めましょう。

 

それぞれの重要なポイントを詳しくご紹介します。

 

遺族から送骨の承諾を得ておく

送骨をする前に、遺族間で話し合いを行い、了承を得ましょう。

 

親族の中には、遺骨をお墓に埋葬したい方や送骨に良いイメージがない方がいるかもしれません。

送骨の知識がない方にとっては、遺骨を配送する行為は失礼にあたると考える方もいるでしょう。

 

送骨後の報告は、親族間でのトラブルを招くことにもつながります。

家族や遺族間で送骨への理解を高めてから準備を進めるのがおすすめです。

 

梱包は丁寧に行う

大切なご遺骨の梱包は、以下の点に注意しましょう。

 

  • 骨壺の内部が濡れていないか
  • 骨壺の蓋がきちんと閉じているか

 

骨壺のなかが濡れていると、ご遺骨が濡れてしまいます。

特に、湿気などで結露が発生すると骨壺の内部が濡れやすいです。

 

骨壺を開け、水が溜まっていないか、ご遺骨が濡れていないかなどを確認しましょう。

また、濡れていた場合は蓋を開けた状態を保ち、風通しの良いところで保管し、しっかりと乾燥させるのがおすすめです。

 

ご遺骨が乾燥した状態でとくに問題がない場合は、骨壺の蓋がしっかりと閉めて梱包します。

 

骨壺の蓋は、回して外すタイプと上に被せるだけのタイプがあります。

特に、上に被せるだけのタイプは、蓋が開きやすく配送中にずれる危険性が高いです。

 

骨壺の蓋はテープなどで固定し、蓋が開かないよう工夫しましょう。

 また、木箱に入れた際は、緩衝材を利用して骨壺自体が動かないように固定するのも大切です。

送骨をする際の注意点

送骨をする際の注意点

送骨はお墓に埋葬するよりも安価で遠方でも利用できるなどのメリットがありますが、いくつか注意点を押さえておく必要があります。

 

送骨をしたあとのトラブルを事前に防ぐためにも重要なポイントです。

 

遺骨の配送手段は「日本郵便」のみ対応可能

日本で遺骨を送骨ができる配送業者は、日本郵便のみです。

ゆうパックを利用してご遺骨の配送ができます。

 

ご遺骨の取り扱いには細心の注意が必要です。

そのため、どんな配送業者でも頼めるわけではありません。

佐川急便やヤマト運輸では、送骨の受付はしていないため注意しましょう。

 

また、通常のゆうパックの料金で利用ができますが、大きさや重さで料金が異なります。

日本郵便のホームページや窓口に問い合わせをしましょう。

 

海外への配送は国によって対応が異なる

海外へのご遺骨の配送は、送付先の国によって対応が異なります。

 

例えば、フィリピンに遺骨を送る場合、該当の必要書類を透明のプラスチックビニールに入れ外箱に貼り付け、宛名に「Cremated Human Remains」のラベルを張り付けなければなりません。

 

また、大手ではない配送業者にお願いをすれば海外への配送を受け入れてくれる業者があるかもしれませんが、遺骨はご遺族にとって大切なものです。

繊細で替えのきかないものは、大手の配送業者が行っている範囲で送骨を考えるのがおすすめです。

 

【参考】フィリピンへの送骨について(郵便局)

 

配送中に遺骨が紛失しても補償は難しい

日本郵便のゆうパックには万が一のために損害賠償制度があります。

ゆうパックには30万円までの補償がついており、追加で370円を払えば50万円までの補償が可能です。

 

例えば、配送中に骨壺が破損した場合、範囲内であれば補償してもらえるため安心です。

しかし、ご遺骨が紛失した場合は、きちんと補償してもらえるとは断言できません。

 

【参考】ゆうパック補償について(郵便局)

 

合祀墓は遺骨が取り出せない

送骨で合祀墓を選んだ場合は、後から改葬ができないため注意しましょう。

 

合祀墓とは、骨壺から取り出したご遺骨をほかのご遺骨と一緒に埋葬する方法を言います。複数の方のご遺骨が混ざってしまうため、希望する故人のご遺骨だけを取り出すことはできません。

 

後悔しないためにも、供養の仕方について親族や遺族間でしっかりと話し合いをしておきましょう。

送骨の注意点などを考慮し安心できる埋葬方法を選択しよう

送骨は、寺院などにご遺骨を送り供養してもらう方法で、遠方にいても利用できるため、コロナ化以降需要が高まっています。

 

合祀墓を選んだ際はあとから改葬ができなかったり、日本郵便のみで受付可能などいくつかの決まりがあるため、家族間でよく相談をしてから利用しましょう。

 

また、安心してご遺骨を供養したい方は、「海洋散骨専門業者を利用して散骨供養する」という選択肢もあります。

ご遺骨の供養について悩まれている方は、ぜひご相談ください。

この記事の監修者

天井 十秋

10年以上に渡り、全国の海域で散骨を行って参りました。
故人様の旅立ち(エンディング)を「より良く、より自分らしく」をモットーに、1,000名様以上もの供養をサポート。
故人様だけでなく、ご家族様の想いにも寄り添った、散骨プランをご提案いたします。

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