◇海洋散骨で遺骨は全部撒くの?分骨の方法や散骨の流れ
近年では、新たな供養方法として「海洋散骨」が選ばれることが増えてきました。
しかし、中には「どのような流れで散骨するの?」「遺骨は全部撒かなきゃいけないの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
そこでここでは、海洋散骨の概要や流れ、分骨の方法について解説します。
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散骨とは、火葬後の遺骨をパウダー状にして、海や山などの自然に散布する供養方法のことです。
日本では、遺骨を骨壷に入れ、お墓に納める方法が一般的でした。
しかし、近年は遺骨の供養方法が多様化しており、「散骨」にも注目が集まっています。
「自然に還りたい」「思い出の場所で眠りたい」「自分の家族に迷惑をかけたくない」などの理由で、散骨を希望する方が増えているのです。
海洋散骨に限らず、散骨は全部撒く必要はありません。
散骨には決まりやルールがないため、「遺骨を全部撒く」のか「一部だけ残す」のかは、散骨を行う人が自由に選択できます。
なぜ自由に選択できるかというと、日本には「散骨」に関する明文化された法律が存在しないためです。
東京都福祉保健局のホームページには、「墓地、埋葬等に関する法律においてこれを禁止する規定はない」と記載されています。
また、墓地や埋葬について定められている「墓地、埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)」や「遺体や遺骨の損壊及び遺棄に関する(刑法190条)」のどちらにも、散骨を禁止する文言はありません。
そのため、海洋散骨は違法ではなく、遺骨を全部撒くかどうかは自由に選択できます。
海洋散骨する際には、いくつかの注意点があります。
2021年3月30日に、厚生労働省のホームページに「散骨事業者向けの散骨に関するガイドライン」が掲載されました。
このガイドラインには、以下のような内容が記載されています。
散骨する際は、ルールやマナーを守って行うようにしましょう。
散骨は自由な葬送のため、どのタイミングで行っても良いとされています。
故人の希望で遺骨を全て海洋散骨する場合は、その希望を考慮して散骨する日程を決めるのがおすすめです。
仏教では四十九日後に納骨する関係上、散骨を四十九日や一周忌の法要後にする方が多い傾向にあります。
しかし、海洋散骨は季節や天候に左右されるため、必ずしも希望日に実行できるとは限りません。
そのため、あらかじめ日程に余裕を持って散骨するようにしましょう。
海洋散骨を検討している方は、「みんなの海洋散骨」にご相談ください。
「みんなの海洋散骨」での依頼方法は以下の通りです。
お電話、お問い合わせフォーム、LINEにてお問い合わせください
事前にご希望の海域やお日にちがお決まりの場合は併せてお伝えください。
ご希望の散骨場所や時期をお伺いし、お見積金額をご提示させていただきます。
お見積もりに納得いただいた場合は、申し込みをお願いします。
「みんなの海洋散骨」では、海洋散骨申込書・海洋散骨依頼書・同意書を郵送します。
必要事項のご記入、ご捺印の上、申込者の身分証明書のコピー1通を添えて弊社までご返送、またはメール添付いただきます。
直接持ち込み、あるいはゆうパックにて遺骨を預けます。
ご希望の場合は、有料の送骨パックを利用可能なため、お気軽にご相談ください。
遺骨のお預かりの際に、「火葬許可証」「埋葬許可証」「改葬許可証」のいずれかのコピーを1通いただきます。
銀行振り込み、クレジットカード、現金にて料金の支払いをお願いします。
弊社にて、海洋散骨に必要な2mm以下のパウダー状に粉骨いたします。
当日は、事前にお伝えした乗船場所に集合し、海洋散骨を行います。
代行委託散骨の場合は、ご家族の代わりにスタッフが丁寧にお見送りします。
続いて、海洋散骨当日の流れを確認しましょう。
貸切乗船散骨プラン、合同乗船散骨プラン、代行委託散骨プランの3つに分けてご紹介します。
貸切乗船散骨プランは、一家族のみで行うプランです。
貸切乗船散骨プランの流れは、以下の通りです。
事前にお伝えした出港場所へ集合します。
GPSにより散骨海域の緯度・経度を正確に記録しながら、散骨海域へ行きます。
ご自身の手で、散骨をします。
献花や故人様のお好きだったお飲み物を手向けます。
散骨海域の周りを数周旋回します。
鐘の音とともに、黙祷します。
出航した港に帰港し、現地にて解散です。
後日「散骨証明書」「メモリアルDVD」「散骨風景写真」などご郵送しますので受け取りください。
合同乗船散骨プランは、複数の家族で同時に行うプランです。
貸切乗船散骨プランの流れは、基本的に貸切乗船散骨プランと同じで、家族ごとにご自身の手で散骨をしていきます。
代行委託散骨プランは、海洋散骨のスタッフが代わりに行うプランです。
代行委託散骨プランの流れは、以下の通りです。
スタッフが責任を持って、ご遺骨をお預かりします。
スタッフが遺骨を持ち、出港します。
GPSにより散骨海域の緯度・経度を正確に記録しながら、散骨海域へ行きます。
遺族の代わりに、真心を込めて散骨をします。
献花や故人様のお好きだったお飲み物を手向けます。
散骨海域の周りを数周旋回します。
鐘の音とともに、黙祷します。
後日、「散骨証明書」「メモリアルDVD」「散骨風景写真」などご郵送しますので受け取りください。
ここからは、海洋散骨で全部撒くことのメリットを4つお伝えします。
2022年の「お墓の消費者全国実態調査」によると、お墓を購入する場合、一般墓158.7万円、納骨堂83.6万円、樹木葬69.6万円となっています。
それに比べて海洋散骨は、一番費用が高い個別散骨でも30万前後と費用を抑えられるのがメリットです。
お墓を立てると管理や維持をする必要があります。
「次世代に迷惑をかけたくない」「今後お墓を維持できる人がいない」という理由から散骨を選択する方が多いです。
海洋散骨を選択することで、管理者が管理費を滞納し続け、合法的にお墓を撤去されてしまうリスクがなくなります。
昔は、海や山へ散骨する方法が認められていませんでした。
しかし、現在はルールを守りながら故人が希望する場所へ散骨することが可能です。
最後まで故人の希望が叶えられることは、散骨の大きなメリットでしょう。
海洋散骨などの自然葬は人工物を用いない葬送です。
生命はもともと自然から生まれたと考えられています。
自然葬には、元いた自然に還るというコンセプトがあります。
散骨は、地球環境への負担が少なく最も自然な葬送だと言えるでしょう。
続いて、海洋散骨で全部撒くことのデメリットを紹介します。
デメリットも理解した上で、海洋散骨をするようにしましょう。
現状では、お墓や納骨堂に納骨するのが一般的です。
そのため、家族や親族の間で意見の食い違いが生じる場合があります。
親族間でのトラブルを防ぐためにも、海洋散骨する前にはしっかりと話し合いをしましょう。
全ての遺骨を海に撒くと、手を合わせて供養する具体的な場所や物がなくなり、供養しづらいというデメリットがあります。
しかし、お墓はなくても、ご自宅の仏壇に対して手を合わせることは可能です。
また、散骨した場所に足を運び、手を合わせるという方法もあります。
一度海洋散骨した遺骨を回収することはできません。
後戻りはできないため、海洋散骨する前に遺族間でしっかりと話し合いをすることがおすすめです。
海洋散骨を選択すると、お墓を持たないことになります。
お墓を持つことは義務ではなく、墓じまいをするニーズも高まっているのが現状です。
現在は、以下のように、さまざまな葬礼の形があります。
お墓を持たない選択肢は複数あるため、遺族間で話し合い後悔のない選択をしましょう。
次に手元供養について紹介します。
手元供養とは、全て散骨するのではなく、一部を手元に残して供養する方法です。
火葬場で、分骨証明書を発行してもらえば、手元供養のための分骨ができます。
手元供養品は、ミニ骨壺やプレート、オブジェ、アクセサリーなどが主流です。
特にアクセサリーは、普段身に着けられるデザインから高級感を感じるものまで、さまざまな種類があります。
手元供養品は、金額やデザイン、居住スペースなどを考慮して選びましょう。
本記事では、海洋散骨の概要や流れ、分骨の方法について解説しました。
海洋散骨に限らず、散骨は全部撒く必要はありません。
散骨には決まりやルールがないため、「遺骨を全部撒く」のか「一部だけ残す」のかは、散骨を行う人が自由に選択できます。
ただし、海洋散骨するメリットとデメリットがあるため、遺族間でよく相談しトラブルを未然に防ぐようにしましょう。
海洋散骨が気になった方は、お気軽に「みんなの海洋散骨」までお問い合わせください。
天井 十秋
10年以上に渡り、全国の海域で散骨を行って参りました。
故人様の旅立ち(エンディング)を「より良く、より自分らしく」をモットーに、1,000名様以上もの供養をサポート。
故人様だけでなく、ご家族様の想いにも寄り添った、散骨プランをご提案いたします。