◇四天王寺で納骨(永代供養)する方法や掛かる費用とは?
利便性の良い場所で納骨や永代供養をしたいと考えた際に、こんなお悩みはありませんか?
「どこの寺院にお願いしたら良いかわからない」
「一心寺にお願いしようと思っていたら遺骨の受入制限がかかってお願いできなくなった」
そんなお悩みの方向けに、ここでは四天王寺で納骨(永代供養)する方法や掛かる費用についてご紹介します。
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四天王寺は大阪市天王寺区の四天王寺に位置し、日本仏法最初の官寺であり、聖徳太子が建立した七大寺のひとつです。
その名前が歴史に登場するのは「日本書紀」で、造立が推古天皇元年(593年)に開始されたと記載があります。
1400年以上の歴史がある寺院であり、特定の宗派に属することのない「和宗」の総本山としても地名度があり信仰を集める寺院です。
由緒ある寺院として有名な四天王寺ですが、「一般の人が納骨など利用することはできず、限られた人だけが納めることができる寺院である」と考えている人も多いのではないでしょうか。
しかしそのようなことはなく、一般の人でも納骨や永代供養をお願いすることができます。
四天王寺の広大な敷地の中には、一般墓地である四天王寺霊苑と合同墓である納骨総祭塔の2種の墓地があり、どちらも一般の人が納骨先の場所として利用ができます。
四天王寺霊苑と納骨総祭塔とでは、どちらを選択しても宗派は関係なく受け入れしてもらえます。
しかしながら、その申し込み方法やお墓としての考え方は異なります。
四天王寺霊苑は、一般的なお墓同様に墓石の下に納骨を行う形式です。
申し込みの時期は特に無く新規で墓石を頼む場合は、墓石の選定から戒名の文字掘りをして納品まで約1ヶ月前後時間がかかります。
法要の日程などは四天王寺のご僧侶としっかり打ち合わせをする必要があります。
一方で、納骨総祭塔では個人の墓石というものが存在せず、合同墓地(納骨総祭供養塔)へ合祀します。
合同墓地と言われるように、決められた時期に、納骨要請があった人の納骨を合同で行い供養します。
納骨総祭は、年3回あり申し込み時期により法要時期が異なりますので、いつ合祀するのか次の日程より選定しましょう。
申し込み期間 |
納骨総祭法要 |
---|---|
2月1日~5月31日の申し込み |
夏季納骨総祭 |
6月1日~9月30日の申し込み |
秋季納骨総祭 |
10月1日~1月31日の申し込み |
春季納骨総祭 |
納骨総祭供養塔では、納骨をお申し込みした期間別に墓碑が分けられています。
ご自身が該当する場所でゆっくりとお参りができるようになっています。
四天王寺で納骨をお願いする場合、四天王寺霊苑と納骨総祭塔とでは、掛かる費用が異なります。
四天王寺霊苑に納骨をする場合の費用は、前途のように一般的なお墓と同様のケースになります。
お墓への納骨に関する費用には明確な単価が定められていないので、以下にご紹介する金額はあくまでも一般的なケースのご紹介となります。
納骨では、御僧侶に出席してもらい故人の遺骨を納める「納骨式」を行います。
納骨式の費用はお布施という形で納めますが、その相場は3万円~5万円程です。
併せて別途お車代として5千円~1万円程度包みます。
式が全て終わると会食になりますが、御僧侶が会食を辞退された場合は御膳料として5千円から1万円程度追加して渡しましょう。
お墓の下には、カロートと呼ばれる納骨スペースがあります。
カロートへ納骨する場合には、そのフタを事前に開けておく必要があります。
容易に開けられないように重たいフタとなっているので、一般の方が作業されると怪我をする可能性もあります。
誤って倒したりすると大切なお墓を傷つけてしまうこともあるので、専門の石屋に依頼するのが安心です。
作業料金的には2万円程度のケースが多いようです。
ご僧侶に渡す金額以外に、墓石代や墓誌に戒名などを彫刻した場合は都度その金額が事前に発生します。
当日お花やお供え物をする場合も別途費用として用意しておくと良いでしょう。
納骨総祭塔に納骨する場合の料金は2タイプあります。
納骨回向料の金額は1霊1万円以上で、特別納骨回向料は1霊3万円以上の場合が多いです。
共に最低金額は決められておりますが、上限は決められていないのでお布施同様にお気持ちを追加して納めることになります。
1霊(1名様)での設定ですので、複数名納骨をお願いする場合は人数分の費用が発生します。
納骨回向料、特別納骨回向料と名目が異なりますが、納骨回向は合同回向のみの対応で、特別納骨回向は個別に回向してもらえます。
誰でも宗派を問わず納骨を受け入れてくれる四天王寺ですが、納骨をお願いするのにはどのような手順を踏む必要があるのでしょうか?
ここからは納骨の申し込み方法や必要なものなどをご説明します。
納骨総祭塔に納骨をお願いする場合に気をつけることがあります。
それは、一度納骨すると後から遺骨を返却して欲しいとお願いしても、戻してもらうことはできないということです。
四天王寺に預けた遺骨は、まず阿弥陀堂の隣にある納骨堂に仮安置されます。
そして、年に三回行われる納骨法要のときに、納骨総祭塔へ移されて合同埋葬されます。
そのため、納骨の前には親族とよく話し合ってお願いするようにしましょう。
四天王寺で納骨をお願いする受付は、境内にある六時礼讃堂にまず訪問しましょう。
受付時間は8時半〜18時までですので、あまり遅い時間に行くと書類を記載しているタイミングで受付締め切りになる恐れがあります。
時間には余裕を持って訪問しましょう。
納骨する時には、事前に必要な各種書面や必要事項があります。
書類不備でなんども訪問するなんてことは、あまり気持ちの良いものではありませんので、忘れることのないようにしましょう。
納骨時はお葬式とは異なりますので、喪服など畏まった格好ではなくても問題ありません。
しかし、あまりにもラフな格好は好ましくないので、男性であればダーク系のスーツ、女性であれば地味な色のワンピースなどが望ましいです。
親戚一同などで納骨をされるのであれば、賛同者たちのご意見を確認して皆さんで統一した服装で参列すると良いでしょう。
「墓じまい」とは、自分でお墓を管理できなくなった人や継承する人がいないなどの理由で墓石を撤去し、更地にして墓地の使用権を変換することです。
四天王寺でも、近年の生活スタイルの変化に伴い墓じまいしてから納骨をする人が増えてきています。
墓じまいをしてから四天王寺に納骨する手順としては次のようにします。
流れとしては、上記のように行い、最後にご遺骨を四天王寺に持って行って納骨をすると全ての段取りが終了となります。
納骨の際に注意すべき点としては、ご遺骨の洗浄と乾燥を改めて行うということです。
今まで墓地で保管されていたご遺骨は、湿気を帯びていたり、経年にて汚れが付着している可能性があります。
そのまま持って行くと納骨を断られる事もありますので、事前に洗浄と乾燥をさせて綺麗な状態で持ち込むようにしましょう。
ご遺骨の洗浄と乾燥はご自身でも可能ですが、専門の業者もあります。
業者によっては洗浄・乾燥とともにUV殺菌をしてくれます。
費用的には2万円から3万円で対応してくれますので、ご自身でするのに抵抗がある方は検討してみましょう。
前途にて納骨のご紹介しましたが、四天王寺では永代供養をお願いすることもできます。
永代供養を寺院にお願いすると、跡継ぎがいない人でも寺院による追善供養をしてもらえます。
自分以外にお墓を継ぐ人がいない場合や、子供達やその先の子孫にお墓の管理など負担をさせたくないと考えている方などは、永代供養をお願いすると安心です。
四天王寺で永代供養をお願いすると、永代祠堂(えいたいしどう)をしてもらえます。
永代祠堂とは、今まで自宅やお墓で行っていたご先祖供養を寺院が代わりにすることを言います。
四天王寺の境内には複数のお堂があり、お堂ごとに受けられる奉納や供養の方法が異なります。
ご自身にあった供養の方法を選定するのが良いですが、以下では代表的な黄鐘楼(北鐘堂)の永代供養についてご紹介します。
黄鐘楼(北鐘堂)で引導鐘をつくと、聖徳太子が極楽浄土に引導してくださると信仰されています。
その鐘の音が鳴り響く堂内にある、本尊阿弥陀如来のご宝前に奉安します。
北鐘堂の永代供養は、大きく3つの供養方法があり、それぞれ費用と方法が異なります。
永代祠堂をお願いすると、四天王寺の堂内に安置する過去帳に霊名、法名、戒名を記載し、毎朝のお勤めの際に永代供養をしてもらえます。
永代祠堂も2種類あり、それぞれ以下の費用となり供養の方法も異なります。
永代祠堂の方法 |
永代祠堂料(1 霊位につき) |
---|---|
日牌(にっぱい) |
20万円 |
月牌(がっぱい) |
30万円 |
日牌(にっぱい)とは毎日毎朝供養をすることを言い、月牌(がっぱい)とは、故人の月命日に毎月供養をすることを言います。
永代位牌安置とは、1基1霊の刻名を記したお位牌を安置するとともに、霊名を永代過去帳に記載して毎朝供養してもらえます。
永代位牌安置の費用は、1霊位につき35万円です。
この費用には、お位牌本体とお位牌作成費が含まれています。
お位牌を安置して永代供養をお願いしたい場合はこちらを選ぶと良いでしょう。
永代阿弥陀如来奉安とは、阿弥陀如来が描かれている木製のプレートに故人の霊名や命日、施主名を記載します。
これを阿弥陀如来の分身として奉納し、供養します。
霊名は日牌である永代帳に記載して、毎日お経を唱えてもらえます。
永代阿弥陀如来奉安の費用は、阿弥陀如来の木製プレートを制作費用が含まれて20万円です。
四天王寺に納骨や永代供養をお願いする場合に、気になるのは実際にその寺院がどのような寺院なのかではないでしょうか。
近隣にある一心寺などど同様に有名な寺院ですが、まずは一度ご自身で訪問して見学することをおすすめします。
以下では実際にお寺としての魅力をいくつかご紹介します。
創建から1,400年以上の長い歴史の中で、焼失と再建を繰り返し、苦難を乗り越えてきた寺院ですが、寺院の建築構造は建築当時の飛鳥時代様式そのままです。
特に境内の中心にある「伽藍」は「四天王寺式伽藍配置」と呼ばれ、仁王門から五重塔、金堂、講堂が南より北へ向かい一直線に並び、周囲を回廊で囲む配置となっています。
これが古代の日本寺院の指標となっていると言われています。
中心にある伽藍後方に位置する「六時礼賛堂」も重要文化財です。
四天王像と薬師如来坐像が祀っているこのお堂は、前途でもご紹介した納骨や供養が行われます。
この「六時礼賛堂」の正面にある石舞台もまた重要文化財です。
日本三大舞台という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、厳島神社の平舞台、住吉神社の石舞台と並ぶ三大舞台として知られています。
四天王寺の見所は、建築以外にも様々なご利益があるパワースポットが多数あることです。
「六時礼賛堂」の階段を上がった先には、「おもかる地蔵」と呼ばれるお地蔵さんがいます。
このお地蔵さんの前で手を合わせて、願い事を思い唱えた後、お地蔵さんを持ち上げ軽いと願いが叶い、重いとまだ時期ではないと言われます。
石鳥居をくぐり、伽藍への途中にある布袋堂では、子育て関係のご利益がもらえたり、その他多くのパワースポットが存在するので各スポットを回りながら散策しても良いでしょう。
正式名称 |
荒陵山金光明四天王大護國寺 |
---|---|
山号 |
荒陵山 |
宗派 |
和宗 |
住所 |
〒543-0051 大阪府大阪市天王寺区四天王寺1-11-18 |
アクセス |
大阪メトロ谷町線「四天王寺前夕陽ヶ丘駅」より徒歩5分 |
休日 |
年中無休 |
電話番号 |
06-6771-0066 |
営業時間 |
8:30~16:30【4~9月】 8:30~16:00【10~3月】 8:30~18:00【六時堂】 |
料金 |
境内:無料 中心伽藍:大人300円、高校大学生200円 宝物館:大人500円、高校大学生300円 本坊庭園:大人300円、高校大学生200円 |
四天王寺では宗教を問わず受け入れてもらうことができ、納骨だけではなく永代供養もお願いできます。
あわせて、近隣にある一心寺が「墓じまい・墓出し」「各種納骨施設からの移転」等の納骨を停止していることもあり、四天王寺の需要はさらに高まってくることが考えられます。
まずは一度四天王寺に足を運び魅力を感じてもらうことで、安心して永代供養をお任せすることができるのではないでしょうか。
天井 十秋
10年以上に渡り、全国の海域で散骨を行って参りました。
故人様の旅立ち(エンディング)を「より良く、より自分らしく」をモットーに、1,000名様以上もの供養をサポート。
故人様だけでなく、ご家族様の想いにも寄り添った、散骨プランをご提案いたします。