◇猫や犬などペットの遺骨はどうする?火葬後の保管方法や供養方法について
我が子のように育ててきた猫や犬が亡くなったら、飼い主は「しっかり供養してあげたい」と思うでしょう。
しかし、ペットの死に初めて向き合う方は、ペットの供養方法に悩むこともあるのではないでしょうか。
そこで本記事では、猫や犬などのペットの遺骨の保管方法や供養方法を解説します。
自宅で保管する際の注意点も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
実は、猫や犬のペットの遺骨は自宅で保管しても問題ありません。
ただし、ペットの遺骨は人間とは違い、子孫へ代々引き継ぐのは現実的ではないでしょう。
最終的には、飼い主が責任を持って遺骨を納骨・散骨する必要があるのです。
自宅で遺骨を保管する際は、しっかりと湿気対策をしましょう。
湿気対策をしていないと、大切なペットの遺骨にカビが生えてしまいます。
自宅でできる湿気対策は、以下の通りです。
陶器の骨壷は、密封性が低く、骨壷と蓋の間から湿気が入ります。
湿気は骨壷の底に溜まりやすいため、シリカゲルはなるべく骨壷の底のほうに入れてください。
万が一、骨壷の底にシリカゲルを入れるのが困難な場合は、蓋の裏にシリカゲルをテープで貼り、骨壷の中にもシリカゲルを入れておきましょう。
骨壷の蓋と本体の境目をテープでしっかりと巻き、湿気が骨壷内へ入らないようにしましょう。
密閉することで骨壷内部への湿気の侵入を防ぐことができ、カビの発生を防げます。
ここからは、ペットの遺骨の供養方法を解説します。
それぞれの供養方法のメリット・デメリットも紹介します。
手元供養は、最も一般的な供養方法の一つです。
ペットの遺骨を専用の骨壺や遺骨箱に入れ、自宅の仏壇や棚に安置して大切な思い出を継承します。
メリットは、いつでもペットと共にいられる感覚が得られ、故人との絆を感じられることです。
飾る位置や骨壺のデザインも自由に選べるため、ペットの思い出に合わせたカスタマイズができます。
一方、デメリットとしては、将来の引っ越しや家族構成の変化によって供養スペースの確保が難しくなる可能性があることです。
また、心理的な喪失感から抜け出せない可能性や、他の家族が心理的な負担を感じることもあるでしょう。
ペットの手元供養品の例は、以下の通りです。
手元供養品 |
特徴 |
骨壷 |
伝統的な陶器の骨壷から現代的なデザインまで多様なものがあります。
メモリアルフォトフレーム付きの骨壺や、ペットの写真を飾れる特別仕様のものも人気です。
陶器、木製、ガラス製など、インテリアに調和するデザインや、ペットの性格に合わせたカラーや形状のものが選べます。 |
アクセサリー |
アクセサリーの中に遺骨を少量入れることが可能です。
シルバーやゴールド、チタン製など、高級感のあるものから手頃な価格のものまで幅広く存在します。
ネックレスやキーホルダー、ブレスレットなど、形状も多岐にわたります。 |
人工ダイヤモンド |
ペットの遺骨から抽出された炭素を使用して、本物のダイヤモンドを合成するという供養方法です。
高額になりますが、永遠の思い出として残せます。 |
遺影ケース |
ペットの写真を飾りながら、一部の遺骨を安置できるタイプのものがあります。
木製やガラス製、クリスタル調のものまで、インテリア性の高いデザインが多く販売されています。 |
メモリアルボード |
木製や陶器製の位牌に、ペットの名前や写真、好きだった物などを飾ることができます。
仏壇に供えるタイプや、リビングに飾れるタイプなど、さまざまなデザインがあります。 |
ガラスのオブジェ |
遺骨を少量封入したガラス製品で、デスクや棚に飾ることができます。
光の加減によって遺骨の存在を感じられる、アーティスティックな供養品となります。 |
立体フィギュア |
3Dプリンターで作られたペットの立体フィギュアに遺骨の一部を収めるタイプの手元供養品です。
ペットの姿そのものを形にできるため、より思い出に寄り添った供養品と言えるでしょう。 |
埋骨は、ペットの遺骨を庭や家の敷地内に埋める方法です。
自宅の庭や好きだった場所に埋葬することで、ペットとの思い出を身近に感じられます。
メリットは、ペットが生前好きだった場所に埋葬でき、精神的な慰めを得やすいことです。
さらに、定期的に手を合わせたり、花を手向けたりすることができます。
しかし、デメリットとして、将来の引っ越しや土地の売却時に遺骨の移動が難しくなる点や、アパートやマンションなどでは許可を得ることが困難な場合があります。
また、気候や土壌の条件によっては遺骨の保存状態に影響を与える可能性もあります。
埋葬をする際は、そのままではなく必ず火葬をしましょう。
ここでは、ペットの火葬方法「一任個別火葬」と「立ち会い個別火葬」について解説します。
一任個別火葬は、ペットの遺体を火葬施設に一任し、個別に火葬する方法です。
飼い主が直接火葬の過程に立ち会わず、専門のスタッフが責任を持って火葬をします。
動物病院や葬儀社が提携する火葬施設が、ペットを丁寧に預かり、清潔で衛生的な環境で火葬を実施するのが特徴です。
ペットの遺骨は後日、専用の骨壺に入れられて返却されます。
メリットとしては、飼い主の精神的負担が少なく、時間的な制約や感情的な負担を軽減できることが挙げられます。
また、専門スタッフによる丁寧な対応と、確実に自分のペットの遺骨のみが返却されるという安心感があります。
一方、デメリットとしては、火葬の過程を直接確認できないため、一部の飼い主は不安を感じるかもしれません。
また、料金は立ち会い火葬と比較してやや安価ですが、それでも決して安くはない点に注意が必要です。
立ち会い個別火葬は、飼い主が火葬の全過程に直接立ち会うことができる方法です。
ペットとの最後のお別れの儀式として、多くの飼い主が選択する火葬方法の一つとなります。
火葬施設にて、自分のペットが丁寧に扱われ、火葬される様子を最後まで見守ることができます。
この方法の大きな特徴は、ペットとの最後の時間を共有し、別れの儀式を丁寧に行えることです。
飼い主は火葬開始前の最後のお別れや、火葬の全過程を見守ることができ、精神的な癒しや納得感を得られます。
また、自分のペットの遺骨であることを直接確認できるため、安心感があるでしょう。
メリットとしては、ペットとの最後の時間を大切にしたい飼い主に適した方法であり、心の整理をつけやすいことが挙げられます。
一方、デメリットとしては、精神的に辛い経験となる可能性があり、火葬の様子を直接見ることに抵抗を感じる飼い主もいます。
また、時間的な制約や、立ち会いのための準備や調整が必要となるため、一部の飼い主には負担に感じるかもしれません。
料金も一任個別火葬と比較してやや高額になる傾向があります。
納骨は、ペット専用の霊園や寺院、納骨堂に遺骨を安置する方法です。
専門的な施設で大切に保管されるため、安心して供養できます。
メリットは、専門的な管理と清掃が行われ、永続的な供養が可能なことです。
また、訪問しやすい場所に設置されているため、定期的に供養や手を合わせることができます。
さらに、自宅のスペースを確保する必要がないという利点もあります。
一方、デメリットとしては、納骨にかかる初期費用や年間の管理費が比較的高額であることが挙げられます。
また、場所によっては遠方になり、頻繁に訪問することが難しい場合もあるでしょう。
分骨は、一つの遺骨を複数の遺族や家族で分け合う供養方法です。
特に、飼い主の家族や親戚、親しい友人などで思い出を分かち合いたい場合に選択されます。
メリットは、大切なペットの思い出を複数の人々で共有できることです。
また、それぞれが好きな方法で供養できるため、柔軟性が高いと言えます。
デメリットとしては、遺骨を分けることで一つ一つの遺骨の量が少なくなり、供養の形式が制限される可能性があることです。
また、家族間での意見の相違や感情的な対立が生じるかもしれません。
合同火葬・共同墓地は、複数のペットの遺骨を一緒に埋葬または安置する方法です。
ペット霊園やペット専用の墓地で行われることが多いです。
メリットは、比較的低コストで専門的な供養が可能なことや、他のペット飼い主と共感や支え合いの機会が得られることが挙げられます。
広大な墓地で大切なペットを供養できるため、精神的な癒しを感じやすいでしょう。
デメリットとしては、個別の遺骨の特定が難しくなる可能性や、個人的な追悼の機会が限定的になることです。
また、共同墓地の場所や管理方法によっては、個人の希望に完全に沿えない場合もあります。
散骨は、ペットの遺骨を好きだった場所や意味のある場所にまく方法です。
海や山、愛していた公園など、ペットゆかりの場所で行われます。
メリットは、ペットが生前好きだった場所で最後の別れを告げられることや、自然に還すことができる点が挙げられます。
一方、デメリットとしては、法的な規制や制限があり、すべての場所で実施できるわけではないことです。
また、環境や周囲に住んでいる住民にも配慮する必要があります。
ここでは、近年選択する家族が増えている「海洋散骨」の主な流れについて解説します。
電話や問い合わせフォームで、散骨をしたい旨を散骨業者へ伝えましょう。
希望の日にちが決まっている場合は併せて伝えてください。
見積もり金額・散骨場所・日時などを確認し、業者へ申し込みます。
申し込みの際には、申込書・同意書などの書類が必要です。
他に必要となる書類は以下の通りです。
また、住んでいる地域によっては、改葬許可証の代わりに「納骨証明書」や「遺骨引渡証」の提出を求められる場合もあります。
業者に遺骨の受け渡しを行います。
遺骨の受け渡しは、業者に直接持ち込む方法や郵送する方法があります。
業者によっては、業者が自宅に訪問するサービスもあります。
その場合は、別途料金が生じる可能性があるため、事前に問い合わせしておくと安心です。
散骨当日になったら、事前に共有されていた集合場所に集まります。
散骨後は、献花・献酒・献水を行い故人の冥福を祈り、「散骨証明書」などを受け取り終了です。
もし、代理散骨を選択した場合は、スタッフが責任を持ちお見送りをしてくれます。
後日、業者から散骨証明書や散骨の様子を撮影した写真を受け取ってください。
本記事では、猫や犬などのペットの遺骨の保管方法や供養方法を解説しました。
ペットの供養方法は、以下の通りです。
飼い主やペットにとって、最適な供養方法を相談してください。
天井 十秋
10年以上に渡り、全国の海域で散骨を行って参りました。
故人様の旅立ち(エンディング)を「より良く、より自分らしく」をモットーに、1,000名様以上もの供養をサポート。
故人様だけでなく、ご家族様の想いにも寄り添った、散骨プランをご提案いたします。