◇墓じまい時の閉眼供養のお布施っていくら必要?費用相場や流れについて
最近ライフスタイルの変化やお墓の後継者不足などが原因で「墓じまい」をする人が増えています。
墓じまいの際には「閉眼供養」を行いますが、お布施の相場やマナーなどを知らないという方がほとんどではないでしょうか。
そこで、ここでは閉眼供養の基礎知識や、お布施の相場、マナーなど、知っておくべきポイントを解説していきます。
墓じまいを検討している方、閉眼供養について詳しく知りたいという方はぜひ参考にしてみてください。
Contents
墓じまいとは、お墓と解体・撤去して墓地を更地に戻し、墓地を管理者に返還する作業のことです。
最近、お墓を守っていく後継者がいない、家族が遠方に住んでいてお墓の世話が難しい、お墓を維持するのが経済的に困難、などあらゆる理由で墓じまいをする人が増えています。
閉眼供養とは、お墓からご遺骨を取り出す前に行う仏教行事で、お墓に入っている魂を抜くという意味合いがあります。
この行事はお寺の僧侶が行いますが、この時僧侶にはお布施(感謝の気持ちて渡す金銭や物品)を渡します。
閉眼供養の際には僧侶に以下のような費用を渡します。
閉眼供養で必要な費用 |
概要 |
金額 |
お布施(おふせ) |
僧侶に感謝の気持ちを持って渡す金銭や物品 |
3万円~10万円 |
御車代(おくるまだい) |
僧侶の交通費 |
5,000円~1万円 |
御膳料(ごぜんりょう) |
僧侶の会食費用 |
5,000円~1万円 |
閉眼供養の際にはお布施を渡しますが、一般的に3万円~10万円程度の金額を渡す人が多いです。
ただし、その金額は地域・宗派・お寺との関係性によっても異なるので、悩んでいる場合はお寺に相談してみるのもよいでしょう。
また閉眼供養の際にはお布施以外にも「御車代」や「御膳料」が必要になることがあります。
閉眼供養は以下のようなタイミングで行われることが多いです。
お墓からご遺骨を取り出すタイミングで行われることが多いようです。
ここでは、閉眼供養を行う際の流れを解説していきます。
<準備編>
<当日編>
まずは閉眼供養をしてもらう僧侶を手配します。
墓地の管理者が寺院である場合はその寺院に連絡し、それ以外の墓地の場合は墓地近くの寺院や縁のある寺院に連絡してみましょう。
ただし、できるだけ早めに連絡しましょう。
急な連絡の場合、僧侶との予定が合わないという可能性があります。
1で閉眼供養の日程が決まったら、参列者に日程を連絡します。
ちなみに、閉眼供養は家族だけで執り行うことが多いようです。
閉眼供養当日に必要なアイテムを揃えます。
<閉眼供養当日に必要なアイテム>
など、依頼する寺院によって必要なアイテムが異なる可能性があるので、事前に寺院に必要な物があるかどうか確認しておくと安心です。
今までお世話になった気持ちを込めてお墓の掃除をします。
雑草抜き、墓石磨きなどをして、いつもよりも美しく掃除しましょう。
お墓が美しくなったらお供えをしましょう。
お花、お菓子、果物などを半紙の上に置きます。
*ちなみに、お供えに関しては墓地や地域のルールやマナーがあることが多いので、それに従って行いましょう。
僧侶が墓地に到着したら読経が始まり閉眼供養の開始です。
参列者は僧侶の後ろで一緒に手を合わせて見守りましょう。
閉眼供養後は参列者や僧侶と会食を行うことがあります。
ただし、参列者の人数が少ない場合や家族だけで執り行う場合は会食が開かれないことも多いです。
閉眼供養が終わったら墓じまいをします。
閉眼供養当日に行うこともありますが一般的には後日行うことが多いです。
墓じまいには石材店・僧侶・施主の3者が揃っている必要があります。
閉眼供養の際の注意点はいくつかありますが、ここでは主な注意点を3つ解説していきます。
閉眼供養は僧侶が中心となって行う儀式です。
僧侶は他の葬儀や儀式で忙しいことも多いので、早めに連絡して日程を決めておきましょう。
遅くても2週間前までに連絡しておくのがマナーです
閉眼供養当日は喪服で出席してもよいですが、平服でもよいとされています。
ただし、露出の多い服装、派手なカラーの服装などその場にふさわしくない服装は避けるようにしましょう。
閉眼供養は家族だけで執り行われることも多い行事です。
しかし、お墓は家族だけでなく親族にとっても大切な場所なので、閉眼供養を行うことは事前に連絡しておきましょう。
勝手に閉眼供養や墓じまいをすると、後に親族間でトラブルに発展してしまうことがあります。
閉眼供養は家族だけで執り行われることも多いため、それほど細かなマナーがあるというわけではありません。
しかし、事前に知っておくべきマナーはいくつかあるので、ここで閉眼供養のマナーをチェックしていきましょう。
閉眼供養の服装は喪服でも平服でも良いとされていますが、具体的にはどのような服装で参列すればよいのでしょうか。
ここでは、閉眼供養当日の服装を紹介します。
*丈の短すぎるスカート、露出が多い服装は控えましょう。
お墓参りや閉眼供養のような仏教行事においてお供え物が必要であるということを知っている人は多いでしょう。
しかし、具体的に何をお供えすればよいか分からないという人も多いと思います。
そこで、ここでは閉眼供養のお供えを紹介していきます。
閉眼供養のお供えは「五経(ごきょう)」が中心となります。
<五経>
ご先祖を清める、喉が渇いているご先祖様が喉を潤す、という目的があります。
この水はペットボトルや水筒に入れた状態で持っていくのが一般的です。
供花とは、故人にお供えするお花です。
故人の心を清め、生きている者の心を慰める役割があります。
トゲ、毒、ツルがある花や縁起が悪いとされている花(クロユリ・ツバキ)、香りがきつい花などはお供え向きではありません。
お花屋さんでお花を購入する際に、閉眼供養でお供えする花が欲しいと伝えると、お供え向きの花を教えてくれるので安心です。
飲食とは、故人にお供えする食べ物のことです。
果物(みかん、バナナなど)や精進料理をお供えすることが多いです。
生の魚、肉などは傷みやすいため控えましょう。
閉眼供養後は参列者で持ち帰っていただきましょう。
供養の際にご先祖様がいただいているので、供養後であれば参列者が食べてしまっても問題ありません。
灯明とは、お供えのろうそくのことです。
道を照らすという意味でお供えされます。
ちなみに、ろうそくの火は口で吹き消さないようにするのがマナーです。
香とは、故人にお供えするお線香やお焼香のことです。
この香りは故人の食べ物という意味合いがあります。
ちなみに、お墓にお供えを置く際には、懐紙(かいし)という小さめの半紙や和紙の上に乗せるのがマナーです。
懐紙は100円均一でも手に入れることができます。
閉眼供養の前後に僧侶に渡しましょう。
お布施は「お布施」「御布施」と書かれた不祝儀袋に入れて、袱紗(ふくさ)*に包んで渡します。
不祝儀袋は100円均一でも手に入ります。
*袱紗とは…ご祝儀や香典などを入れる布のことです。
「御布施」「お布施」が一般的です。
既に印刷されている場合は、その文字の下にお布施を渡す人の苗字もしくは氏名を書きましょう。
渡す人の名前、住所、お布施の金額を書きます。
中袋がある場合は、中袋に書くようにしましょう。
ちなみに、お布施の金額は漢数字で書くのがマナーです。
封筒にお金を入れる際には肖像画が上側で表に来るようにしましょう。
新札でも古いお札でも問題ありません。
お葬式などのお香典は新札がマナー違反とされていますが、閉眼供養の場合は新札でもマナー違反となりません。
閉眼供養の際にはお布施だけでなくお車代や御膳料も渡すことがあるので、事前に準備しておきましょう。
閉眼供養に出席する際には香典は必要ありません。
改葬の際の建碑祝いや改葬の際の御仏前として渡しましょう。
閉眼供養をして墓じまいをした後は、ご遺骨を新しい形で供養します。
最近は新しい供養方法を選ばれることも多いので、ここでは閉眼供養後の供養方法を紹介します。
散骨とは、故人のご遺骨を自然に還すことができる供養方法です。
具体的には海、山、空などの自然にご遺骨を撒いて供養します。
散骨をする際には、火葬後のご遺骨を粉状に砕く粉骨という作業が必要です。
粉骨せずにご遺骨を自然に撒くと法律違反になる可能性があるので注意しましょう。
永代供養とは、ご遺骨を寺院・納骨堂などの施設に預け、その施設で供養してもらう方法です。
施設が供養し続けてくれるため、ご遺族がいなくなっても供養を継続することができます。
永代供養にもいくつかの種類があり、個別の墓、合祀墓、共同墓などがあります。
子どもや家族がいない、家族が遠方に住んでいるというような方に選ばれることが多いです。
手元供養とは、故人のご遺骨や遺灰の一部を自宅などの身近な場所で保管する供養方法です。
自宅の仏壇に小さな骨壺に入れてご遺骨を保管したり、アクセサリーにご遺骨を入れて身に付けたりする方法があります。
常に故人を身近に感じられる、心の支えになる、いつでもお参りできるなどのメリットがあります。
閉眼供養は墓じまいの際に行うことが多い仏教行事で、お墓に入っている魂を抜くという意味合いがあります。
この行事を行うのは主に寺院の僧侶なので、閉眼供養をすることが決まったらまずは寺院に連絡して、僧侶との日程を調整しましょう。
閉眼供養にはお布施が必要ですが、その費用は3~10万円程度です。
ただし、その地域やお寺との関係性などによって費用が異なるので、事前に寺院に確認しておくのもおすすめです。
閉眼供養の流れやマナーを事前に確認しておくと、当日スムーズに行事を執り行うことができます。
天井 十秋
10年以上に渡り、全国の海域で散骨を行って参りました。
故人様の旅立ち(エンディング)を「より良く、より自分らしく」をモットーに、1,000名様以上もの供養をサポート。
故人様だけでなく、ご家族様の想いにも寄り添った、散骨プランをご提案いたします。