◇海外散骨のやり方と注意点とは？費用・手続き・日本との違いを詳しく解説
供養の方法が多様化した現在では、供養の方法に散骨を選ぶ方が増えています。
散骨であれば、「死後は自然に還りたい」という希望を叶えられるでしょう。
そして、散骨は海外でもできることを知っていますか？
海外散骨なら、日本国外の何度も訪れている思い出の場所・いつか行きたいと夢見ていた場所などを散骨先に選択できます。
しかし、海外散骨に不安を感じる方は多いです。
この記事では、海外散骨の方法と注意点や必要な費用について、詳しくまとめました。
海外散骨に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
散骨とは、火葬後の遺骨をパウダー状に粉骨し、海や山など自然に撒いて供養することを指します。
散骨であれば、新しいお墓を建てる必要がなく、お墓を管理する手間や長期的なコストもかかりません。
そのため、子孫に負担を残さない「新しい供養の方法」として、近年散骨の人気が高まっています。
特に選択されることが多いのが、海洋散骨です。
海洋散骨の場合には、海に遺骨を撒いて供養をします。
そもそも、「海外で散骨をしても良いのか？」と疑問を持つ方は多いです。
まずは、海外散骨が法律に抵触しないのかという点を説明します。
日本には散骨に関して、法的なルールは用意されていません。
しかし、遺骨の取り扱いに関しては墓埋法で定められていることから、以下のルールを遵守しなければいけません。
その他にも、散骨用の献花などは自然に還るもののみにする・周囲に迷惑がかからない場所を散骨先に選ぶなど、散骨時のマナーも知っておくべきです。
海外散骨は散骨先によって必要な手続き、遵守するべき法律が変わります。
現地のルールに違反してしまうと、罰金を課される可能性があるでしょう。
ただし、現在では海外でも散骨の人気が高まっており、選択できる国は多いと考えてください。
各国の散骨に関するルールや考え方については、次の章にまとめました。
この章では、日本人に人気の散骨先の国の散骨に関するルールと文化をまとめました。
散骨先については、十分な事前調査が欠かせないことを知っておいてください。
アメリカは州ごとに州法が定められているため、アメリカ全体というよりも散骨先の州の散骨に関係するルールを把握する必要があります。
例えば、ハワイの場合は散骨への規制がなく、土地の所有者の許可があれば散骨ができるようになっているのです。
そのため、ハワイは人気の散骨先として知られており、観光と供養を兼ねたクルーズ型セレモニーを提供するサービスも選択できます。
ただし、アメリカの海洋散骨では、以下のルールを守ってください。
イギリスは比較的散骨に寛容な文化を持ちますが、公園・公有地への散骨はできません。
このような理由から、散骨先は主に教会・墓地・火葬場になります。
散骨場が併設されている墓地もあり、イギリスならではの美しい環境が整っています。
フランスでは都市部やセーヌ川への散骨が禁止されており、イギリスと同じように散骨可能な場所として火葬場や海などが指定されます。
フランスの海で散骨をする場合は、以下のルールに従ってください。
中国は散骨を国が奨励し、散骨時にかかる費用を補助しています。
なぜなら、中国の都市部は慢性的に墓不足の問題を抱えており、お墓の値段が高騰しているためです。
インドネシアのバリ島は、火葬後の海洋散骨が一般的です。
そのため、インドネシアの国営航空会社であるガルーダ・インドネシア航空では、遺骨を真空パックした状態であれば、手荷物として機内持ち込みできます。
観光地でのセレモニーを提供するサービスも増えています。
オーストラリアには散骨に関係する規定はなく、比較的散骨に寛容な文化を持ちます。
ただし、一部の自治体では散骨用のエリアが定められていることは知っておきましょう。
オーストラリアでの散骨を専門とする散骨代行業者が存在するため、散骨方法の選択肢も多いです。
スイスでは、樹木葬や散骨を選ぶ方が多く、散骨に関して細かな規制はありません。
ただし、国民の環境に関する意識が非常に高いことから、環境への配慮に十分な注意が必要です。
樹木葬でも、墓地に樹木を植えるのではなく、自然の木の根元に散骨をする方法が一般的で、お墓や墓標の設置は禁止されています。
海外散骨では、散骨先の国の散骨に関するルールを熟知するだけでなく、次のような手続きが必要です。
遺骨を国外に持ち出すためには、大半の場合は飛行機に乗らなければいけません。
次のような書類を用意して、手荷物検査を通過できるようにしてください。
渡航先によっては、入国審査で厳しいチェックを受ける可能性があります。
上記の書類を翻訳認証しておけば、入国時のトラブルを避けられるでしょう。
その他、渡航先によっては入国時に別途書類の提出が求められるケースも多いことから、個別の対応が必要だと考えてください。
飛行機に遺骨を持ち込む際には、骨壷を布などで包み、「骨壷だとは分からない状態」にするべきです。
骨壷を見ること・同じ収納棚を使うことに抵抗を感じる乗客がいる可能性があるのです。
周囲の乗客への配慮を忘れないようにしてください。
また、遺骨の機内持ち込みについては、航空会社ごとに細かなルールが設定されているため、事前に十分な確認が必要です。
海外散骨を自分で実施するためには、渡航先の法律や移動時に求められる書類など、多くの事前調査が必要です。
また、渡航先によっては移動に多くの時間がかかってしまうでしょう。
そのため、海外散骨の代行を請け負っている業者も多いです。
代行業者に散骨を委託すれば、自分は海外に行かずに海外散骨を実施できるのです。
海外散骨に不安を感じている方や時間に余裕がない方は、海外散骨の委託を検討すると良いでしょう。
ここでは、海外散骨にかかる費用の目安について説明します。
個人で海外散骨を実施する場合には、航空券を含む旅費を抜いて、20万円〜40万円の費用が必要だと考えてください。
旅費は行き先・参加人数によって異なり、ハワイの場合は家族4人で別途80万円（3泊4日）程度の費用が追加でかかります。
ただし、旅費は工夫次第で節約可能な要素であると言えるでしょう。
海外散骨を代行業者に依頼し、自分は国内に残る場合にかかる費用の相場は、10万円〜20万円程度です。
個人渡航型と比較すると、旅費が必要ではなくなることで大幅な節約ができると考えてください。
プランによっては、人気があるハワイの散骨でも20万円未満で依頼できる業者が増えています。
さらに、渡航先の散骨に関する法律や遺骨の移動に必要なルールを調査する手間もかかりません。
ここでは、海外散骨の具体的な流れと方法を説明します。
まずは、散骨について親族の理解を得る必要があります。
特に墓じまいをしてから散骨をする場合には、親族から反対意見が出る可能性が考えられるでしょう。
時間をかけて話し合いをした上で、今後の供養の方法を決めてください。
家族の希望に沿ったプランを用意している散骨業者を探します。
事前に、家族も散骨に同行するために海外に行くのか・業者に散骨自体を委託するのかを決めておきましょう。
複数の業者のプランや対応を比較し、安心して散骨を任せられるサービスを見つけてください。
散骨の際には、遺骨をパウダー状に粉骨しなければいけません。
粉骨業者に依頼して、遺骨を散骨可能な状態にしてもらいましょう。
日本での散骨では「2mm以下のパウダー状に粉骨する」というルールがありますが、散骨先の国のルールも確認しておいてください。
散骨業者に散骨を依頼する場合には、粉骨サービスも用意されているケースが多いです。
渡航先で提出が求められる書類を確認し、事前に用意しておきます。
近年では、テロ対策や違法薬物の取り締まりを目的として、機内持ち込み・入国時の検査が厳しくなっています。
必要な書類がなければ、検査を通過できない・入国できない恐れがあるでしょう。
特に個人で遺骨を国外に持ち出す場合は、十分な確認が必要だと考えてください。
航空会社ごとに機内持ち込み・遺骨の持ち込みのルールが設定されているため、事前に確認しておきましょう。
飛行機に遺骨を持ち込む際には、骨壷が目立たないように風呂敷や袋などに入れて周囲の乗客に配慮します。
海外散骨では、次のようなポイントに注意するべきです。
日本にも散骨時に守るべきルールが存在することと同じように、海外にも国ごと・州ごとに散骨に関係する法律やルールがあります。
特に法律に違反してしまうと、罰金を課されるまたは散骨自体ができない恐れがあるでしょう。
渡航先によってルールの厳しさが異なることから、十分な事前準備が必要だと考えてください。
言語の壁も意識した上で、海外散骨に不安を感じる方は信頼できる国内の散骨業者を活用するべきです。
海外での散骨自体にかかる費用は高額ではないケースも多いです。
しかし、家族で散骨を実施する方は、追加の旅費も含めたトータルコストを把握する必要があります。
海外散骨は国内散骨よりもトータルコストがかかります。
次のような方に海外散骨をお勧めします。
海外散骨を希望する方は、海外に思い出の場所がある・海外に思い入れがある場所がある方が多いです。
自分が海外散骨をしてもらいたいと考えている場合には、その希望を遺言状に残しておくと良いでしょう。
お墓に遺骨を埋葬すると、子孫にお墓を管理するという負担が残ります。
少子高齢化が進む現代では、この負担がより重くなっていると言えるでしょう。
このような理由から、自分の代で墓じまいを選択する方が増えました。
散骨であれば、散骨後に子供や孫がお墓を管理する必要がなくなります。
海外散骨では、美しいリゾートや思い入れがある海外で故人を供養できます。
散骨に関するルールや考え方は国によって異なりますが、多くの国では日本と同じように散骨できる環境が整っているのです。
また、海外散骨プランを用意している専門業者も増えていることから、海外散骨に感じる不安も軽減できるでしょう。
散骨自体の代行を委託できる業者を選べば、海外散骨にかかる費用も抑えられます。
自分と家族に適した海外散骨の方法は何か考えてみましょう。
天井 十秋
10年以上に渡り、全国の海域で散骨を行って参りました。
故人様の旅立ち（エンディング）を「より良く、より自分らしく」をモットーに、1,000名様以上もの供養をサポート。
故人様だけでなく、ご家族様の想いにも寄り添った、散骨プランをご提案いたします。
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