◇お墓を建てない供養の7つの選択肢
お墓を建てるには墓地と墓石を購入するので、それなりに費用がかかります。暮石は購入するだけでなく、加工したり設置したりするのにも費用がかかるので、突然の不幸に加えて、ご家族にとって、金銭的にも大きな負担となるでしょう。
また、せっかく墓地を確保しても、それを維持管理していくのも大変なことです。
昔は家族が亡くなったらお墓を建てるのが、当然という風潮がありましたが、核家族化が進んだ現在では、お墓を建てないという選択をする方も増えてきました。
では、お墓を建てずにどのようにして供養をするのか、新しい形の供養についてお伝えいたします。
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日本には「墓地・埋葬等に関する法律」というものがあり、たとえ私有地であっても墓地以外の場所に、遺骨を埋葬することはできません。
墓地とは寺院、民営の墓地(霊園墓地)、公営墓地であり、法律で決められた場所以外のところに埋めることはできないのです。
経済的な理由や家庭の事情で、墓地を持てない場合には、その他の遺骨を納める場所を確保する必要があるでしょう。
お墓を建てないとすると、このような供養の方法が考えられます。ご家族の状況に応じた、供養の方法をお選びください。
永代供養墓とは、霊園などが遺骨の管理をしてくれる方式で、もし、自分がいなくなった後にお墓の管理をする人が、いなくなってしまっても心配がありません。
最初から合祀をする形と、一定期間(三十三回忌くらいまで)個別に安置して、その後合祀という形があります。
費用ですが、最初に一定額を支払うことで永代供養をしてくれますから、基本的に維持管理費が発生することはありません。
お墓ではなく、納骨堂に安置するという供養の方法もあります。納骨堂も合祀する形と、個別にロッカーのようなところに入れる形とがあります。
個別で安置をしても一定期間たつと合祀することが多いです。
一つの家庭でお墓を建てるのではなく、集落・村落など地域の共同体によって使用、管理・運営されている墓地のことで、後継者がいない場合や、お墓の管理をしてくれる人がいない、という方が利用することが多いようです。
火葬したあとに、骨壷に入れて自宅で手元供養をする方法もあります。
そのままだと遺骨はかなり大きいですから、粉骨してサイズを小さくしたり、アクセサリーに加工してみにつけたりと、供養の方法もいろいろです。
ただし、いつかはご遺骨を見守っている人も亡くなりますので、その後はどのように供養するのかを考えておく必要があります。
ゼロ葬とは、火葬場で火葬したご遺骨を収骨せず。その場でお別れする早々の形です。行政によって、ゼロ葬に対する可否が有りますので、事前に調べる必要があります。
お墓を持たずに遺骨を細かいパウダー状にして、海や山などに撒いて自然にかえすという供養の方法もあります。
故人が好きだった海で散骨するなど、最近徐々に広まってきている方法です。
ただし、全て散骨してしまうとお参りする場所がなくなってしまうことから、分骨をして、一部は手元で供養する方も多いです。
墓石を建てる代わりに、故人が好きだった木を植樹する樹木葬というものがあります。
木の下に遺骨を埋めるので、ゆくゆくは自然にかえっていきます。骨壷をそのまま埋める方法もありますが、いずれにしても樹木を植えるというやり方から、都会の真ん中よりも郊外に墓地がある場合が多いです。
先祖代々の墓地が近くにあって、入る場所が決まっている人はいいのですが、そうでない人の方が、増えているのではないでしょうか。
今住んでいる場所から実家や菩提寺が遠い場合は、お墓まいりが難しくなるので、近くにお墓が欲しいと思いますよね。
しかしお墓を建てるとなると、およそ200万円ほどかかるといわれています。それだけの費用を用意するのはなかなか大変です。
しかもお墓は建てて終わりではありません。お墓の管理費や檀家として菩提寺へのお布施を納めたりする必要があります。お墓がそこにある以上維持するための費用が発生します。
その点、散骨や手元供養などにすればお墓の維持管理費もかかりません。
お墓はお寺にあるといっても、お寺の人が掃除をしてくれるわけではありませんから、時折お参りしてきれいにする必要があります。
自宅から遠いとお墓参りも一苦労。年齢を重ねるほどお手入れも大変になっていくでしょう。
しかしお墓がなければ管理をする必要がありませんので気持ちも楽になるでしょう。
お墓を建てるには墓地と墓石を購入するので、それなりに費用がかかります。暮石は購入するだけでなく、加工したり設置したりするのにも費用がかかるので、突然の不幸に加えて、ご家族にとって、金銭的にも大きな負担となるでしょう。
しかしお墓がないことが逆にデメリットになることもあるのです。
お墓があることでお参りして気持ちの整理をしたり、故人に「会いにいく」ということができます。
しかしお墓を建てないことで、お参りする場所がなくなってしまい、心の拠り所がなくなってしまったと感じる人もいます。
家族が亡くなったらお墓に入るのが当然、と考えている方はまだまだ多いです。
ここはその方の価値観ですので、お墓を建てることがいい、悪いという問題ではないですね。費用の問題もありますが、それだけでは割り切れない心の問題でもあります。
ですから、お墓を建てないということに対して反対をされることは、想定しておかなくてはなりません。
なぜお墓を建てないのか、納得してもらえるまできちんと話をして、後々揉め事が起きないようにしておきましょう。自分のことで家族がもめていたら、故人も悲しむでしょう。
これまでのようにお墓を建てなくても供養ができることはおわかりいただけたと思います。
どの方法が良いかは、親族同士でよく話し合って決めるようにしてください。