◇散骨でトラブルに合わないための知っておきたい4つのこと
自然にかえる葬送の形として人気の高まっている散骨ですが、よく調べないで行ってしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうこともあります。
そこで今回は、散骨トラブルに合わないために、知っておいていただきたいことについてまとめました。散骨を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
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これまでのように、亡くなった後にお墓に入るというよりも、家族に迷惑をかけたくない、自然にかえりたいという理由で、散骨を希望される方が増えています。
お墓を維持していくのは大変です。お金もかかりますし、家の近くに菩提寺がないとお墓参りをするのも一苦労です。しっかりと維持管理していく人が継いでくれなければ、お墓も荒れてしまうことに。
都市部では核家族化が進んでいますし、子供が海外に移住してしまうという人もいるでしょう。墓地を確保するのにも、それなりにお金がかかります。それならば、散骨をしてお墓を作らない方が、後々良いのでは?と考える人が少なくありません。
また、海が好きだった人は、お墓に入るよりも、自分が好きだった場所に遺骨を撒いて欲しいと希望される方もいます。残される家族のため、また、自分のために散骨をして欲しいと思うのです。
しかし、本人の意思だけでは、なかなかうまくいかないというのが、散骨の難しいところです。実際の散骨をする前にしっかり準備をしておかないと、後々トラブルが起きてしまうこともあります。
いくらご本人が散骨を強く希望されたとしても、親戚の方全てがそれに同意してくれるとは限りません。お墓に対する思いは人それぞれですので、中には墓地に埋葬しないということを、快く思わない方もいらっしゃいます。
そういったご意見を無視して散骨をしてしまうと、親族間で大きなトラブルに発展することもあります。特に年配の方には色々な思いがありますから、ご本人の意思だけでは散骨しづらいというのが現実です。
散骨に反対される方の中には、お墓がないとお墓参りができないではないか、と思われる方もいらっしゃいます。心の拠り所としてお墓を必要とされる方にとっては、供養する場所がなくなるのはとても辛いことです。
どうご供養していくかは気持ちの問題ではありますが、考え方は人それぞれ違いますので、みなさんが納得される供養の方法を、事前に相談し合うのはとても大切なことです。
いきなり墓じまいをして散骨をするというと、快く思わない菩提寺の方も。これまで管理してきてもらったご恩もありますし、あまり唐突に申し出るのもよくない場合があります。
散骨は違法ではありませんが、自治体によっては散骨する場所に制限を加えているところもあります。山の中などで散骨する場合、土地の所有者がいますから、必ず許可を得ることが必要です。
また、海ならば誰も所有者がいないから良いかというと、そうではありません。公共の場であり、漁業を営んでいる方もいます。どこでもできるわけではないので、散骨をしていい場所なのかどうかを、事前に確認することが大切です。
自宅の庭や私有地に散骨をするには、周辺住民の許可や承諾が必要とされ、ひとりでも反対意見があると迷惑条例に掛かるなど、都道府県や市町村の迷惑防止条例に抵触する恐れがあり、細心の注意が必要です。
そのままの大きさで庭に埋めてしまいますと、「墓地・埋葬に関する法律」という法に違反してしまいます。ご遺骨は決められた場所にしか埋葬できません。たとえ自分が所有している土地でも、ご遺骨を勝手に埋めないようにしてください。
では、きちんと粉骨をし、散骨できる海域を選んだとして、今度は散骨する場所も重要になってきます。
海水浴場など、人目につくところで散骨をしますと、周りにいる方に不快な思いをさせてしまうことがあります。
また、風評被害等で、その土地の方にご迷惑をかけてしまうこともありますので、周囲の方々に配慮した方法で散骨を行いましょう。
散骨を頼んだ経験のある方の方が少ないと思います。散骨業者を選ぶ際に、とにかく値段が安いところがいい、と安さだけで選んでしまいますと、後から追加料金を取られたなどのトラブルが起こることも。
海洋散骨は、通常、海辺から離れた沖合に出て行います。散骨料金とは別に、散骨場所までの移動料金などを取られるケースが散見されます。
そのようなことがないよう、見積もりはしっかりとって、納得のいく説明を受けてから散骨を依頼することをおすすめいたします。
では、上記のようなトラブルに巻き込まれないためには、どうすれば良いのでしょうか。4つの対策法についてお話しいたします。
散骨をするにあたり、ご本人の気持ちはもちろん大切です。しかし、残された家族の気持ちも、同じように大切なものなのです。
どんなにご本人が強く散骨を希望されていたとしても、もし親族の中に反対する人がいるのなら、理解してもらえるまでしっかり話し合うことをおすすめします。
散骨は一度行ってしまうと、もうやり直しができません。ご遺骨を元に戻すことはできませんので、「本人が希望している」という理由だけで押し通さないことです。
地域的な問題や、宗教の問題は、理屈では解決できないこともあります。よく話し合い、皆さんが納得のいくような方法を取れるようにしてください。
墓地に埋葬することにこだわる方もいらっしゃいます。供養の方法は心の問題ですので、どれがいいかという正解はありません。どうしてもきちんと埋葬したいという方がいれば、全て散骨してしまわずに、手元に少し残すという方法があります。
そうすれば、一部は散骨をしてご本人の希望も叶えられますし、埋葬して供養したいという方の気持ちも無下にすることなく、双方の願いが通るのではないでしょうか。
お墓がないとお参りする場所がない、しかしお墓を建てるのは家庭の事情で難しいという場合には、散骨した場所を、故人が眠る場所としてお参りする方法があります。
遠くてすぐには行けないこともあると思いますが、その場合には、散骨した場所の方角に向かってお参りすれば良いのです。
近くに行けなくても気持ちは通じますから、ご自宅から故人を偲ぶことも可能です。
業者とのトラブルを防ぐためには、依頼する前に細かいことでも全て確認をすることです。皆さん初めてで、わからないことだらけだと思います。気になることは電話などで問い合わせ、納得するまで話を聞きましょう。
金額については、その料金に何が含まれているのかを書面でもらうのが確実です。追加料金などが発生しないことを確認すれば、終わった後で料金トラブルが起きる心配もありません。
初めて散骨をするなら、散骨のルールもマナーも熟知している専門の業者に依頼することをおすすめいたします。
親族の説得はご家族の話し合いの中でしていただく必要がございますが、それ以外の散骨に関することであれば、業者と相談しながら進めていくことで、満足できる散骨ができるでしょう。