家族葬と海洋散骨の葬送について

大きな葬祭場で行う告別式ではなく、海洋散骨や樹木葬など身近な人だけで行う家族葬の需要が高まっています。

家族葬とはどういった形のお葬式なのか、メリットや方法などについてまとめました。

小人数でのお葬式で、ゆっくりお見送りしたいという方に向いている方法です。

家族葬とは？新しいお見送りの形

家族葬とは、身内やごく親しかった方達だけで静かにお見送りをする形で、比較的最近になって広まってきた葬儀の方法です。

流れ自体はお通夜、告別式、火葬と通常のお葬式と同じではありますが、お見送りする人数や形が違うのです。

家族葬が広まってきた背景

以前はあまり見られなかった家族葬という形が広まってきたのには、家族のあり方の変化が関係しています。

地方ではまだ会社の人、友人、知人以外にもご近所の方を呼んで、という形があると思いますが、都市部では核家族化が進み、地域のつながりも少なくなってきたことからご近所さん全も一緒に葬儀を行うということがあまり見られなくなりました。

また、少子化によって兄弟が少ないご家庭も多く、大きな葬儀を執り行うには費用の負担も重くのしかかります。

そのような理由によって、昔は盛大にするお葬式もありましたが、身近な人だけでひっそりと行う海洋散骨や家族葬が徐々に広まってきたのです。

家族葬と密葬の違い

家族葬と似たものに密葬があります。密葬と家族葬の違いは、本葬があるかないかの違いでしょう。

密葬は、まず家族やごく親しい方達だけで静かにお葬式を行います。しかし、その方の立場によっては家族だけで済ませることができない場合もあるでしょう。会社の社長さんや有名人の方など交友関係の広い方は、お別れする機会を持たないわけにはいかないということも。

そんなときに、密葬とは別に「本葬」という形で、後日お別れする機会を設けることが多いのです。

「家族だけで執り行います」というと、この密葬と混同されて、では後日お別れの機会があるのだろうかと思われてしまうこともあります。それと区別するために、あえて「家族葬」という名称を使うことが広まってきたようです。

家族葬や海洋散骨を行うメリット

海洋散骨など家族葬と通常のお葬式とは何が違うのか、まずはメリットから見ていきましょう。

家族葬は思い出にゆっくりひたることができる

家族葬はごく限られた人たちだけで執り行いますから、参列者に気を使うことなく、ゆっくりとお別れの時を過ごすことができます。

通常の葬儀では、参列してくださった方への対応をしながらのお別れになりますので、バタバタしているうちに告別式が終わってしまった、というケースもよくあります。

それと比べますと家族葬は、家族やごく親しい友人だけでこじんまりと静かにお見送りをしますので、思い出にひたりながらゆっくりと過ごすことができます。

故人や遺族の希望を形にできる

昔と違い、宗教ごとの形式にはこだわらない、という方も増えています。読経や戒名などいらないという人もいますし、自分の葬儀は明るく、音楽でも流して楽しくしてほしいなどと希望する方もいますね。

通常のお葬式ですとたくさんの人を招くため、なかなか自由に執り行うということができません。

しかし家族葬なら、故人が希望したように、また、海洋散骨など家族が「こんな風に送りたい」と思う形で、自由に執り行うことができるというメリットがあります。

費用を抑えることができる

一般的な葬儀ですと、およそ200万円前後かかるといわれています。その内訳は、葬儀代のほか、参列してくださった方への飲食代、寺院へのお布施などですが、不幸というのは突然やってくるもので、急にこれだけの費用を用意するというのはなかなか大変でしょう。

しかし家族葬であれば、お呼びする人数も少ないですし、大半は身内です。香典も香典返しもなし、おもてなしは近くのレストランで、ということも可能です。

参列者の顔ぶれによってどのように執り行うかということを遺族が自由に判断できますから、費用を抑えることができるのです。

家族葬の執り行い方

では、家族葬はどのように行うのか、簡単な流れについてお話しします。

誰を呼ぶかを決める

通常の葬儀ですと、友人、知人、会社関係など呼ぶ人が多岐に渡りますが、海洋散骨など家族葬であれば基本は身内です。

この「身内」に含まれるのは、一般的には以下の範囲です。

• 直系の家族
• 配偶者がいる場合は配偶者の家族
• 故人の子供の家族、兄弟の家族