◇樹木葬と散骨の違いとは?料金相場やそれぞれの特徴とは
お墓を管理していた世代は年老いてしまい、子世代は仕事で地元を出る人が多くなったため、近年ではお墓の管理をするのが難しいと悩む方が増えてきました。
そのためお墓を建てずに樹木葬や散骨といった埋葬方法を選ぶ人が増えています。
この記事では、樹木葬と散骨の特徴についてまとめています。
どんな埋葬方法があるかを知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
樹木葬とは、墓石の代わりに樹木を墓標とした葬法です。
樹木はサクラやハナミズキ、紅葉といった美しい樹をシンボルにすることが多いです。
中には、樹木ではなく芝生などのガーデン風に整えられた霊園もあります。
樹木の下で眠ることから「自然に還りたい」「緑が好き」といった方が選ぶ傾向にあります。
樹木葬は、合祀型と個別型の2種類に分かれます。
合祀型とは、同じ区画に複数の遺骨を埋葬する方法です。
骨壺から遺骨を取り出して、他の人と一緒に埋葬するため、故人の遺骨がどこにあるかは分かりません。
しかし、1箇所に複数の遺骨を管理できることから、費用が安く済みます。
霊園にもよりますが、およそ5万円〜20万円で行えることが多いです。
個別型とは、それぞれの区画に遺骨を埋葬する方法です。
他の方と遺骨が混ざらないことがメリットです。
ただし一定期間が経過すると合祀されるところが多いため、事前に確認しておきましょう。
こちらも霊園によりますが、15万円〜60万円程かかると言われています。
樹木葬のメリットは、下記の通りです。
樹木葬は、永代供養を採用しているところが多いです。
永代供養では寺院や霊園が責任をもって遺骨を管理・供養してくれるため、身寄りがない方は、無縁仏になる心配がありません。
また身寄りがいる方は、お墓の継承で子世代に負担をかけないことが大きなメリットです。
墓石も不要のため、通常の葬法より費用を抑えられます。
季節によっては樹木の花が咲くため、一般的なお墓よりは明るい雰囲気でお詣りできるでしょう。
樹木葬のデメリットは、下記の通りです。
樹木葬はシンボルの木を植えることもあり、都市部から離れた場所にあることが多いです。
そのためアクセスが不便で、思ったよりも行きにくいケースがあります。
また合祀型だと、遺骨を返してもらえないため、お墓を移動することができません。
さらに樹木があるため、火気厳禁のところも多く、ろうそくなどを使えないことがあります。
散骨とは、パウダー状に粉骨した遺骨を海や山に撒く葬法です。
散骨と聞くと、違法ではないかと心配する方がいるでしょう。
実は、散骨に関する法律はありません。
「常識の範囲であれば散骨を行っても違法ではない」という見解が一般的となっています。
こちらも樹木葬と同じく「自然に還りたい」と思う方が選択する傾向にあります。
近年では海に遺骨を撒く海洋散骨をされる方が多く「海が好き」「海に関わる仕事をしていた」といった理由で選ぶことが多いです。
海洋散骨は船を借りたり粉骨したりする作業が大変なため、業者に依頼するのが一般的となっています。
しかし墓石代がかからないため、通常の葬法よりは安価で済みます。
最も一般的な散骨方法は、海洋散骨です。
海洋散骨は、3つの方法に分かれます。
まずは「船を貸し切りで行う」場合です。
船に親族のみが同乗するため、誰にも邪魔されずお別れすることができます。
費用はおおよそ20〜30万円です。
次に「複数の家族と合同で行う」場合です。
こちらは複数の家族が同乗するため、費用を安く抑えられます。
およそ15万円程度で執り行うことができます。
最後に「業者に代行する」場合です。
高齢で船に同乗できないといった場合は、業者に海に撒く作業を代行してもらうケースがあります。
他の家族と一緒に行うため、5万円程度で済みます。
業者によっては、粉骨代や献花代などがかかる場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
散骨のメリットは、下記の通りです。
散骨では、故人の希望を叶えられることが一番のメリットです。
故人の「自然に還りたい」「海が好き」といった気持ちを組むことができます。
またお墓の購入費や維持費がいらないため、費用を抑えられることもメリットです。
定期的にお墓を管理する必要もないため、子世代への負担も少なくなるでしょう。
散骨のデメリットは、下記の通りです。
散骨は遺骨が手元に残らないため、故人を感じられなくて寂しいと感じることがあります。
墓参りや法事がないため、親族間で集まるといったことがなくなるでしょう。
また従来はお墓に遺骨を埋葬するため、親族から散骨について理解が得られない場合があります。
わだかまりを残さないためにも、散骨は遺族や親族とよく話し合ってから決めましょう。
樹木葬と散骨の大きな違いは、遺骨の扱い方です。
樹木葬は「埋める」のに対して、散骨は「撒く」ことになります。
樹木葬ではシンボルツリーが墓標の代わりとなり、遺骨が納められている場所が分かります。
一方、散骨は撒いてしまうため、遺骨がどこにあるか分からなくなってしまいます。
「お墓の管理をする人がいない」「自然に還りたい」といった希望がある場合、樹木葬と散骨のどちらを選べば良いか迷う方は多いでしょう。
まずは、費用の面から見ていきます。
樹木葬は、5万円〜60万円と幅広いです。
一方、散骨は5万円〜30万円です。
どちらかといえば、散骨の方が安価で済むでしょう。
少しでも安く済ませたい方は、散骨が良いかもしれません。
供養の方法も異なります。
樹木葬は永代供養のため、寺院や霊園が代わりに供養をしてくれます。
一方、散骨は一度撒いてしまった後は、撒いた海や山へ手を合わせることが供養となります。
遺骨がどこにあるか分かる状態が良い方は、樹木葬が良いでしょう。
一方で、後の管理などを何もしたくないという方は散骨がおすすめです。
どちらにせよ、選ぶ時に一番大事なのは、故人と親戚・遺族の気持ちです。
故人がいくら「樹木葬や散骨がいい」と言っても、遺族や親戚が反対するのはなかなか難しいでしょう。
どちらを選ぶにしても、家族できちんと話し合って決めることが一番大事だと言えます。
お墓を必要としない供養方法は、他にもあります。
ここでは、2つの方法についてご紹介します。
宇宙葬はロケットや衛星で、カプセルに入れた遺灰を宇宙へ飛ばす葬法です。
故人が「宇宙に憧れていた」「行ってみたいと思っていた」という場合に選択することが多いです。
バルーンで飛ばす場合は、20万程度です。
しかし月面に送りたいといった希望がある場合は、100万円を超えることもあります。
高額ですが、予定通りにロケットを打ち上げられないケースも多いです。
打ち上げが失敗したり、急に日時が変更になったりすることもあります。
そういったことを理解したうえで、契約を結びましょう。
手元供養とは、故人の遺骨を自宅で保管したり、小物やアクセサリーに入れて供養する方法です。
最大のメリットは、故人を近くに感じられることでしょう。
仏壇を置く場所がなくても、小型の骨壺やペンダント、プレートタイプなどさまざまなものが用意されています。
お墓を管理することが難しくなってきたことから、樹木葬や散骨を選ぶ方が増えています。
樹木葬はシンボルツリーの下に遺骨を埋めるため、故人を近くに感じられます。
一方でアクセスが悪いとなかなか行きにくく、お墓を移動できないといったデメリットもあります。
散骨はお墓の管理がいらず、比較的安価で埋葬できることがメリットです。
一方で、遺骨が手元に残らず寂しい思いをするかもしれないといったデメリットもあります。
それぞれのメリットやデメリットを踏まえて、遺族や親戚と相談しながら選びましょう。
天井 十秋
10年以上に渡り、全国の海域で散骨を行って参りました。
故人様の旅立ち(エンディング)を「より良く、より自分らしく」をモットーに、1,000名様以上もの供養をサポート。
故人様だけでなく、ご家族様の想いにも寄り添った、散骨プランをご提案いたします。