◇海洋葬とは?背景や費用相場、正しい流れについて
近年は新しい供養方法として「海洋葬」が話題になっています。
しかし「海洋葬について詳しくは知らない」という方もいるでしょう。
そこで本記事では、海洋葬について解説します。
費用相場や正しい流れ、海洋葬のメリット・デメリットについて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
海洋葬とは、故人の遺骨を海に散骨する新しい形の供養方法です。
従来の墓地に納骨する方法とは異なり、広大な海へ還すことで、自然との調和を重視した供養ができます。
日本では1990年代頃から徐々に広まり始め、現在では多くの方に選択されている供養方法の一つです。
「最期は大好きだった海で眠りたい」「自然に囲まれて永遠の眠りにつきたい」という方に向いています。
海洋葬の費用相場は、「チャーター散骨」「合同散骨」「代行散骨」のどれを選ぶかで異なります。
それぞれの特徴と費用相場を見ていきましょう。
種類 |
費用 |
特徴 |
チャーター散骨 |
30万前後 |
1家族のみで船をチャーターして行います。 プライベートな空間が保たれていますが、一番費用がかかります。 |
合同散骨 |
15万前後 |
複数の家族で船を借りて行います。 人数制限があったり日程調整をする必要があります。 |
代理散骨 |
10万前後 |
家族の代わりに業者が代理で散骨します。 散骨時の写真や散骨実施証明書を発行してくれる場合が多いです。 |
それぞれ特徴が異なるため、故人や家族の希望に合わせて選択しましょう。
ここからは、海洋葬の正しい流れについて解説します。
海洋散骨業者を選び、電話や問い合わせフォームで散骨したい旨を伝えましょう。
ご希望の日にちが決まっている場合は併せてお伝えください。
見積もり金額・散骨場所・日時などを確認し、業者へ申し込みます。
申し込みの際には、申込書・同意書などの書類が必要です。
他に必要な書類は以下の通りです。
住んでいる地域によっては、改葬許可証の代わりに「遺骨引渡証」や「納骨証明書」の提出を求められる場合もあります。
業者に遺骨の受け渡しを行います。
遺骨の受け渡しは、業者に直接持ち込む方法や郵送する方法があります。
業者によっては、業者がご自宅に訪問して直接受け渡しをすることもできます。
その場合は、別途料金が生じる可能性があるため、事前に問い合わせをしておきましょう。
散骨当日は、事前に知らされていた集合場所に集まります。
散骨後は、献花・献酒・献水を行い故人の冥福を祈り、散骨証明書などを受け取って終了です。
代理散骨を選んだ場合は、スタッフが責任を持ちお見送りをします。
後日、業者から散骨証明書や散骨の様子を撮影した写真を受け取りましょう。
ここからは、海洋葬のメリットを解説します。
海洋散骨は従来の墓地購入費用、墓石の建立費用、永代供養料が不要なため、大幅な費用削減が可能です。
一般的な墓地購入には数百万円かかりますが、海洋葬は10万円〜30万円程度で実施できます。
また、年間の管理費や維持費も発生せず、将来的な改修費用なども考慮する必要がないため、長期的な経済的負担を軽減できます。
定期的な墓石の清掃や供花、除草などの管理作業が一切不要となるため、特に遠方に住む方にとって大きな負担軽減となります。
また、年末年始やお盆などの時期に必ずお墓参りをしなければならないというプレッシャーからも解放されます。
高齢化や核家族化が進む現代において、お墓の継承や管理の問題から解放されるメリットは大きいでしょう。
土地の永続的な占有が不要で、限られた国土を有効活用できるという点で環境に優しい供養方法です。
また、遺骨は海水中のミネラルとなって自然に還るため、環境への負荷が少なく、自然循環の一部となります。
環境保護の意識が高まる現代社会において、エコロジカルな供養方法として注目を集めています。
生前に「自然に還りたい」「海が好きだった」という故人の希望に沿った最期の供養ができ、遺族にとって大きな慰めとなります。
また、家族だけの私的な供養が可能で、故人との最後の時間を大切に過ごせるでしょう。
散骨場所を自由に選べるため、故人との思い出の場所での供養も可能です。
続いて、海洋葬のデメリットを解説します。
後悔しないためにもデメリットを把握した上で、海洋葬を選択しましょう。
海での散骨は波の高さや風の強さなど、天候条件に大きく影響されます。
荒天時は安全面から延期となることが多く、参列者の日程調整が必要となるのです。
また、季節によって海況が変化するため、実施時期が限定される場合もあるでしょう。
突然の天候変化により、当日になってセレモニーの変更を余儀なくされることもあります。
現状では、お墓や納骨堂に納骨するのが一般的です。
そのため、家族や親族の間で意見の食い違いが生じる場合があります。
親族間でのトラブルを防ぐためにも、散骨をする前にはしっかりと話し合いを行いましょう。
散骨後は物理的な形として遺骨が手元に残らないため、形のある供養を望む方には精神的な不安を感じるでしょう。
特に日本の伝統的な供養観において、遺骨を大切に保管することへの思い入れが強い方にとっては、大きな決断となります。
遺骨を手元に残したい方は、「分骨」という選択を取るのもおすすめです。
従来のような形でのお墓参りができないため、特定の場所で故人を偲ぶことが難しくなります。
ただし、お墓はなくても、ご自宅の仏壇や手元供養に対して手を合わせることは可能です。
また、散骨した場所に足を運び、手を合わせるという方法もあります。
本記事では、近年話題となっている海洋葬について解説しました。
海洋葬とは、故人の遺骨を海に散骨する新しい形の供養方法です。
10万円〜30万円程度で実施でき、費用を抑えられるというメリットがあります。
ただし、親族の理解が得られない場合があるため、海洋葬を選択する際は親族でよく話し合いをしておきましょう。
天井 十秋
10年以上に渡り、全国の海域で散骨を行って参りました。
故人様の旅立ち(エンディング)を「より良く、より自分らしく」をモットーに、1,000名様以上もの供養をサポート。
故人様だけでなく、ご家族様の想いにも寄り添った、散骨プランをご提案いたします。