◇開眼供養(開眼法要)とは?お布施の相場や納骨や散骨を行う場合について
新しくお墓を建てたり、仏壇を購入したりする場合は「開眼供養(開眼法要)」を行います。
しかし、中には「開眼供養」という名前を聞いたことはあっても、実際にどのようなことをするのか知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事では開眼供養について詳しく解説します。
お布施の相場や納骨や散骨を行う場合についても説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。
開眼供養とは、新しくお墓を建てたり、仏壇を購入したりする場合に行う儀式です。
この儀式は、僧侶が読経することで「故人の魂を込める」という意味合いがあります。
お墓や仏壇を購入しただけでは、これらに故人の魂が入っていません。
開眼供養をして初めて、故人の魂が宿る神聖な場所になると考えられているのです。
また、開眼供養は、地域や宗派によって呼び方が異なり、「魂入れ」や「入魂式」と呼ばれることもあります。
中には、開眼供養をしない宗派もあります。
浄土真宗は、お墓や仏壇に魂を入れるという考え方をしていません。
そのため、開眼供養ではなく、代わりに御移徒(おわたまし)という儀式をします。
このように、宗派により開眼供養をしない場合もありますが、新しくお墓を建てたり、仏壇を購入したりする際は、何らかの形で故人を供養できるようにするのが大切です。
次に、開眼供養をする際の準備について解説します。
まずは、僧侶へ開眼供養の依頼をしましょう。
もし、檀家として依頼できる寺院がない場合は、葬儀社からお寺を紹介してもらったり、僧侶を紹介してくれるインターネットサービスなどを利用してください。
次に、親族などへ開眼供養する旨を連絡します。
開眼供養は、四十九日と同時に実施する場合が多いですが、日程が決まった場合はできるだけ早めに連絡するのを心がけましょう。
開眼供養の連絡は、案内状を作成するのが一般的です。
ただし、親族のみで開眼供養を実施する場合は、電話やメールなどで連絡しても問題ありません。
開眼供養をする際は、参列者や僧侶と一緒に会食するのが一般的です。
そのため、参列者の出欠確認ができたら、会食の手配をしましょう。
また、同時に引き出物の手配も進めてください。
用意する引き出物の金額の目安は、参列者に包んでもらう金額の半分です。
10,000円なら5,000円、30,000円なら15,000円の引き出物を準備しましょう。
続いて、供物や供花の手配をしてください。
供物は、一般的に「五供(ごくう)」が良いとされています。
五供とは、「香(線香)・花(仏花)・灯燭(ろうそくの灯り)・浄水(水やお茶)・仏飯(ご飯・お菓子・果物)」のことです。
仏飯は、故人が生前好んでいた食べ物を用意しましょう。
最後に、お布施の準備をしてください。
お布施とは、僧侶に読経してもらったり戒名を授与してもらったりした際に、渡す謝礼のことです。
開眼供養のお布施の相場は、30,000円〜50,000円とされています。
もし、納骨式も同時に行う場合は、上記の金額の1.5倍〜2倍程度のお布施を用意してください。
また、僧侶に対しては、お布施以外にお車代を準備することも把握しておきましょう。
また、開眼供養のみ行う場合は、お祝い事になるため、紅白結び切りで「のし」がないご祝儀袋を用意しましょう。
この場合、表書きには「御礼」や「内祝い」と書きます。
一方で、納骨式も同時に行う場合は弔事となるため、ご祝儀袋ではなく白い封筒を用意してください。
そして、表書きには「お布施」や「入魂御礼」と書きましょう。
このように、納骨式を同時にするかしないかによって、用意する封筒が異なるため間違えないように注意してください。
開眼供養のみ行う場合 |
紅白結び切りで「のし」がないご祝儀袋 |
納骨式も同時に行う場合 |
ご祝儀袋ではなく白い封筒 |
次に、新しくお墓を建てた際の開眼供養の当日の流れについてお伝えします。
まずはお墓の掃除をして綺麗にします。
その後、邪気が入らないよう墓石に白い布を巻きましょう。
この工程は、お墓を建てた石材店のスタッフがサポートしてくれる場合もあります。
続いて、お墓の前に祭壇を設置します。
その祭壇に、事前に準備していた供物や供花などを供えてください。
ここまで準備ができたら、一度、本堂や法要会館などへ移動して僧侶にお経を読んでいただきます。
その後、お墓の前に戻り、再び僧侶による読経が始まります。
僧侶による読経が終了したら、墓石に巻かれた白い布を外しましょう。
ただし、宗派や地域により、僧侶による読経の前に外すこともあります。
続いて、参列者と開催者が順番にお線香をあげます。
お線香をあげるタイミングは僧侶による合図があるため、その指示に従ってください。
一連の儀式が終了したら、お墓まわりの片付けをしましょう。
お線香をあげた後に残った灰は放置しておくと固まってしまいます。
そのため、できるだけ早めに水で灰を洗い流してください。
また、良かれと思って供物をその場に残してしまうと、カラスなどにお墓を荒らされるかもしれません。
大切なお墓を守るためにも、供物はすべて持ち帰るようにしましょう。
ここまでできたら、最後に参列者と僧侶と一緒に会食します。
スムーズに進めるため、会食の会場までの移動手段は事前に把握しておきましょう。
会食後に、事前に準備していた引き出物を渡して解散となります。
続いて、開眼供養の参列者のマナーについて、「服装」「持ち物」「お祝い」の観点から解説します。
開眼供養に参列する際は、マナー違反にならないよう、しっかりと確かめておきましょう。
開眼供養では、男女ともに落ち着いた格好が推奨されています。
男性は黒いスーツに白ネクタイ、女性は、ワンピースなどのセミフォーマルの服装や柄のない着物を着用するのが一般的です。
ただし、納骨式も同時にする場合は、通夜や葬式と同じように喪服を着用してください。
持ち物で忘れてはいけないのが、数珠です。
数珠は、基本的に誰かと共有することはできません。
そのため、子供であっても1人1つずつ数珠を用意するのがおすすめです。
ちなみに、子供というのは小学生以上が目安となっています。
そのため、幼稚園以下の場合は、無理に数珠を用意しなくても問題ありません。
開眼供養のお祝いの目安は、親族で10,000円〜30,000円程度、友人で3,000円〜5,000円程度となっています。
ここで、注意が必要なのがお祝いを入れる封筒です。
開眼供養のみ行う場合は、お祝い事のためご祝儀袋に入れます。
しかし、納骨式も同時に行う場合は、不祝儀袋に入れて渡す必要があるため、間違えないように事前に確認しておきましょう。
一般的に納骨は、開眼供養をした後に行います。
納骨のタイミングにルールはありませんが、一般的には「四十九日」を一つのタイミングにすることが多いです。
また、命日から100日目のタイミングで納骨する「百か日法要」を選択する場合もあります。
他にも、「一周忌法要」のタイミングで納骨する場合もあるため、開眼供養をしてから日時が経って納骨しても問題ありません。
もし、納骨後に散骨を希望する場合は、納骨先であるお墓の管理会社や寺院に問い合わせしましょう。
この際に、「分骨証明書」の発行依頼も忘れずに行ってください。
法律では「分骨しようとする人から請求があった場合には、墓地の管理者や火葬場は分骨証明書を発行しなければならない。」また、「分骨証明書を提示しなければ、分骨を受け入れてはならない。」と定められています。
分骨証明書は法律上必須なため、必ず発行手続きをしましょう。
分骨証明書を準備しお墓から遺骨を取り出す際は、故人の魂を一度抜く「閉眼供養」、魂抜きや再び納めるための「開眼供養」などを行います。
その後、散骨業者と相談しながら、遺族や故人が希望している場所へ散骨してください。
開眼供養やお布施の相場、納骨・散骨を行う場合について解説しました。
開眼供養は、新しくお墓を建てたり、仏壇を購入したりする場合に行う儀式で「故人の魂を込める」という意味合いがあります。
開眼供養のお布施の相場は、30,000円〜50,000円とされており、納骨式も同時に行う場合は、この金額の1.5倍〜2倍程度のお布施を用意しましょう。
また、納骨は開眼供養と同時でなくても、命日から100日目のタイミングで納骨する「百か日法要」や「一周忌法要」のタイミングでも問題ありません。
散骨する場合は、納骨先であるお墓の管理者に「分骨証明書」を発行してもらい、「閉眼供養」「開眼供養」の後に、散骨してください。
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天井 十秋
10年以上に渡り、全国の海域で散骨を行って参りました。
故人様の旅立ち(エンディング)を「より良く、より自分らしく」をモットーに、1,000名様以上もの供養をサポート。
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