◇骨壷が入らない?カロートが一杯になったときの対処法と費用相場

お墓の下には、遺骨を納めるためのカロート(納骨室)があります。

普段は目にすることがない部分ですが、実はこのカロートの広さには限りがあり、長い年月の間にご先祖様の骨壺が増えると、次の納骨ができなくなることがあります。

「骨壺が入らない」

「お墓がいっぱいで困った…」

などといった相談は、近年増えている問題の一つです。

 

そこで、ここではカロートがいっぱいになる原因と対処法、費用の目安を分かりやすく解説します。

カロートがいっぱいになって骨壺が入らない主な原因

お墓の下にあるカロートは、一見広そうに見えても実際には限られたスペースしかないため、長い年月の間にいっぱいになってしまうことがあります。

ここでは、カロートがいっぱいになってしまう3つの原因を紹介します。

 

  • お墓の構造上の問題
  • 代々の骨壺が残っている
  • 湿気や劣化でスペースが狭くなることも

お墓の構造上の問題

昔建てられたお墓は家族構成に合わせて設計されており、6人~8人分ほどの遺骨を納める大きさが一般的でした。

近年ではお墓のコンパクト化が進み、4人~6人分のサイズのお墓も増えています。

また、カロートはコンクリートや石でしっかりと造られているため、後から広げるのが難しい構造です。

このような理由から、容量オーバーが起こり、骨壺が入らない原因になることがあります。

 

代々の骨壺が残っている

長い年月をかけてご先祖様のご遺骨を納めていくうちに、カロート内が自然といっぱいになります。

古い遺骨を整理せずにそのままにしていると、新しい骨壺を入れるスペースがなくなってしまうことも少なくありません。

特に、「代々墓」「家墓」と呼ばれるようなタイプは、何世代もの遺骨が一緒に安置されているため、整理するタイミングを逃すと、次の納骨が難しくなることがあります。

湿気や劣化でスペースが狭くなることも

カロート内は、外気温との差で湿気がこもりやすい環境です。

そのため、長年のうちにカビや水分による劣化が進み、内部に土や砂が入り込んでスペースが狭くなってしまうことがあります。

長期間メンテナンスをしていないお墓は、内部構造が傷んで安全面に問題が生じ、納骨を続けるのが難しくなることもあります。

骨壺が入らないときにできる5つの対処法と費用相場

骨壺が入らないときにできる5つの対処法と費用相場

カロートがいっぱいになって骨壺が入らない場合でも、いくつかの解決策があります。

お墓を壊さなくてもよい方法もあるので、状況に合わせて検討してみましょう。

ここでは、主な5つの方法とそれぞれの費用の目安を紹介します。

遺骨を「粉骨」する:2万円~3万円程度

粉骨とは、遺骨を粉状にする方法です。

粉骨した遺骨を小さな骨壺や袋に入れて納めることで、カロート内に複数の遺骨を納めることができます。

また、粉骨後は湿気の影響を受けにくいため、衛生的にも保管しやすくなるのがメリットです。

専門業者に依頼すれば郵送で対応してもらえるケースもあります。

 

費用目安

2万円~3万円(1体あたり)

お墓を建て直す:100万円~200万円程度

カロートがいっぱいになった、劣化してしまったといった場合は、お墓自体を建て直すという選択肢もあります。

老朽化が進んだお墓を一度解体し、新しいものに建て替えることで、カロートを広く設計し直したり、今後の納骨に余裕を持たせたりすることが可能です。

費用はかかりますが、代々受け継ぐお墓をこれからも守りたい方に適した方法です。

 

費用目安

100万円~200万円程度

*古いお墓の状態や新しく墓石の種類によって異なる

一部の遺骨を別のお墓や永代供養墓へ移す:5万円~20万円程度

カロートがいっぱいで骨壺が入らない場合、一部の遺骨だけを別のお墓や永代供養墓へ移すと方法もあります。

古いご先祖様の遺骨を永代供養墓や納骨堂に移し、スペースを確保することで、今後の納骨にも余裕が生まれます。

永代供養墓なら、お墓や霊園が供養や管理を続けてくれるため、後の世代への負担を減らすことができるのも安心です。

 

費用目安

5万円~20万円程度(1体あたり)

*移転先の種類や地域によって異なる

散骨や手元供養する

お墓に入れずに供養する方法として「散骨」や「手元供養」があります。

どちらも近年注目されており、スペースや費用の問題を解決しながら、気持ちを込めた供養ができるのが特徴です。

 

散骨:3万円~10万円程度

  • 遺骨を粉末状にして、海や山などに自然に還す供養方法
  • 法律上も問題なく、環境への配慮を行えば安心して行える
  • 墓地を持たない人や、自然に還りたいという希望を持つ人に選ばれている
  • 費用の目安:3万円~10万円程度

手元供養:2万円~10万円程度

  • 遺骨の一部を自宅に保管し、小さな骨壷やペンダント、ミニ仏壇などで供養する方法
  • 「身近に感じていたい」「いつも一緒にいたい」という想いを形にできる
  • お墓を新たに建てる必要がないため、負担が少ない
  • 費用の目安:2万円~10万円前後

 

このように、お墓に納める以外の選択肢も視野に入れてみましょう。

古い遺骨を整理して土に還す:1万円~3万円程度

長くお墓に納められている遺骨を自然に還すという方法です。

古い遺骨をお寺や霊園に依頼して、土の中に埋めたり、合祀墓に入れたりするケースもあります。

こうすることで新しい骨壺を抑えるスペースを確保できるだけでなく、供養の区切りをつけるきっかけにもなります。

 

費用目安

1万円~3万円

*宗派や地域によって異なる

対処法別:費用相場のまとめ表

対処法

概要

費用目安

粉骨

遺骨を粉状にする

2万円~3万円

お墓の建て直し

新しいお墓を建てる

100万円~200万円

別のお墓や永代供養墓に移す

新しいお墓・永代供養墓へ移す

5万円~20万円

散骨

海や自然に還す

3万円~10万円

手元供養

家などで保管する

2万円~10万円

土に還す

古い遺骨を土に還す

1万円~3万円

対処法を選ぶときの判断のポイント

対処法を選ぶときの判断のポイント

カロートがいっぱいになった時の対処法は、粉骨、改葬、散骨などさまざまです。

どれを選ぶか迷った時は、これから紹介する3つのポイントを意識して考えてみましょう。

 

  • 家族の意向や宗教的な考えを尊重する
  • 今後の納骨予定を考える
  • 費用や手間を比較して決める

家族の意向や宗教的な考えを尊重する

まず大切なのは、家族全員の気持ちを確認することです。

「先祖代々のお墓を守りたい」「自然に還したい」「手元に少しだけ残したい」など、供養に対する考え方は人それぞれ異なります。

また、宗派によっては粉骨や散骨を認めていない場合もあるため、家族の宗教観も確認したうえで進めるようにしましょう。

今後の納骨予定を考える

今後、誰の納骨が予定されるかを考えることも重要です。

将来的に家族や親族の納骨が続く場合は、粉骨や改葬など長く使える方法を選ぶことをおすすめします。

一方、後継ぎがいない場合やお墓の維持が難しい家庭では、永代供養や散骨への移行を検討するとよいでしょう。

費用や手間を比較して決める

対処の方法によって必要な費用や手続きの手間は大きく異なります。

粉骨は比較的安い費用で早く対応できますが、改葬やお墓の建て替えは費用も時間もかかります。

短期的な費用だけでなく、今後の管理費や維持の手間も考慮して、無理のない方法を選ぶことが大切です。

まとめ

お墓のカロートがいっぱいになり骨壺が入らないという問題は、どの家庭でも起こりうることです。

粉骨でスペースを確保する方法や改葬、一部の遺骨を土に還す、永代供養墓に移すなどいくつも選択肢があるので、ご家庭の考え方を尊重して選びましょう。

お墓を守り続けることも、自然に還すことも、どちらも「大切な人を想う気持ち」から生まれた選択です。

もし対応に困ったら、供養の専門家に相談してみましょう。

この記事の監修者

みんなの海洋散骨運営するAクルーズの代表「天井十秋」

天井 十秋

10年以上に渡り、全国の海域で散骨を行って参りました。
故人様の旅立ち(エンディング)を「より良く、より自分らしく」をモットーに、1,000名様以上もの供養をサポート。
故人様だけでなく、ご家族様の想いにも寄り添った、散骨プランをご提案いたします。

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