◇ペットの散骨方法とは?選ばれる場所や注意点について
ペットが亡くなった後、どのような手順で供養すれば良いのか分からない方も多いでしょう。
まずは人間と同じように火葬して、埋葬するのが正しい流れになります。
埋葬する場所は、ペット霊園や自宅で手元供養する方法があります。
しかし近年では、ペットの遺骨を散骨する方が増えてきています。
では、なぜ散骨する家庭が増えているのでしょうか。
この記事では、ペットの散骨が選ばれる理由や散骨方法について、解説していきます。
Contents
ペットの散骨とは、パウダー状にした遺骨を海や山などの場所に撒く葬送方法です。
まずはペットが亡くなったら火葬を行い、その後遺骨を骨と分からなくなるまで粉骨しなければいけません。
骨と分かる状態で撒いてしまうと、人骨と勘違いされて事件化する恐れがあるためです。
遺骨をパウダー状に粉骨した後は、散骨したい場所に骨を撒いていきます。
ペットが亡くなると、ペット霊園に埋葬したり自宅で供養する方が多いです。
しかし近年では、散骨を選ばれる方が増えています。
ここでは、ペットの散骨が増えている理由についてお伝えします。
ペット霊園に埋葬する場合、お墓を購入する費用や維持費がかかります。
散骨であれば、墓石代や維持費の心配をする必要がありません。
金銭的負担を減らしたいという理由から、散骨を選択される方が多いです。
身寄りがいない方は、自分に何かあった時にペットの遺骨を管理する人がいなくなってしまうと不安に感じるでしょう。
特に高齢になってくると不安が募り、お墓での埋葬や手元供養している方が、散骨するというケースもあります。
ペットを一番に可愛がっていた飼い主自身が、散骨を選ぶことがあります。
その際、遺族が飼い主とペットを同じ場所に散骨してあげたいと考えて、散骨を選ぶケースがあります。
またよく散歩していた場所など、思い出の場所に散骨したいと希望される方もいます。
ペットの散骨は法的に規制されていませんが、どこでも散骨して良いわけではありません。
周囲に配慮しながら、散骨することが大切です。
ここでは、ペットの散骨で選ばれる場所をご紹介します。
基本的に自分自身の私有地であれば、どこに散骨してもかまいません。
一番長く過ごした場所であることから、家の庭に散骨しようと考える方は多いです。
ただし庭が狭くて近隣の土地と密接している場合は、周囲への配慮を忘れないようにしましょう。
また引っ越しの予定がある場合も、注意が必要です。
直近で引っ越しの予定がある場合、庭での散骨はやめておいた方が良いでしょう。
特に時間が経って家を売却する場合は、ペットを散骨した旨を不動産屋へ伝えておきましょう。
家の近くに海がある場合や海岸が散歩コースだった場合、海へ散骨したいと考える方が多いです。
海に散骨する場合は、漁業をしている場所や海水浴場、観光地などを避けて行いましょう。
人の目につく場所で行うと、不快に思う方もいます。
そのため橋の上から海に撒くといった行為はしてはいけません。
船をチャーターしたり業者に依頼したりして、人目につかない遠洋で散骨を行いましょう。
山が散歩コースだった場合、山へ散骨したいと考える方もいるでしょう。
しかし山は個人の所有であることが多いため、所有者の許可をとってから散骨することが重要です。
許可をとらず勝手に散骨した場合は、訴えられる可能性があります。
また水源となる場所や、天然記念物が生息している場所などは避けましょう。
水源となる場所に撒くと、水質が悪くなってしまう恐れがあるためです。
また天然記念物がいる場所に撒くと、生態系が乱れることも考えられます。
ヘリコプターやセスナ、ドローンを使って空へ散骨する方法です。
さらに遺骨をカプセルに入れて、ロケットで飛ばす宇宙葬という方法もあります。
空へ散骨する場合は、下に人がいると迷惑がかかるため、海上で執り行われることが多いです。
空での散骨はいずれも高額なため、ペットの散骨ではあまり普及していないです。
「思い出の場所に撒きたい」と強く思っても、他人の土地に勝手に散骨してはいけません。
土地の持ち主の許可を得てから、散骨することが大切です。
もし他人の土地で散骨したい場合は、まずは所有者に散骨して良いかを相談しましょう。
また国が管理している公共の場所は、不特定多数の人が使う目的の施設が建てられていることが多いです。
そのため国が管理している土地では、散骨はしないほうが良いでしょう。
愛するペットの遺骨を、自分の手で埋葬したいと考えて「火葬した遺骨を自分で散骨できるのか」と疑問に思う方は多いでしょう。
結論から言うと、ペットの散骨は自分でできます。
まずは遺骨から不純物を取り除きます。
しっかりと乾燥させた後、ハンマーなどである程度の細かさまで砕きます。
その後は乳鉢などで粉末状になるまで、遺骨をすり潰していきます。
パウダー状になった遺骨を、散骨したい場所に撒けば完了です。
ただし愛するペットの遺骨を粉骨する作業は、精神的にとても辛い作業となります。
「自分の手で供養したい」という気持ちは分かりますが、無理に行うものではありません。
さらに粉骨は思ったよりも力のいる作業のため、素人ではパウダー状になるまで粉骨することは簡単ではありません。
そのため、粉骨・散骨専門の業者に依頼するのもひとつの手です。
粉骨作業を手で行ったり、見学させてくれたりする業者もあるため、粉骨作業に抵抗のある方は、無理をせず業者へ依頼しましょう。
ペットの散骨を業者に依頼する場合、費用相場はどれくらいなのでしょうか。
ここでは、ペットの散骨の費用相場についてお伝えします。
予算の兼ね合いを考えながら、どのように散骨するかを決めましょう。
火葬費用は、1万円〜4万円が相場です。
自治体の火葬場であれば、比較的安価で、小型犬や猫であれば1万円程、大型犬であれば2万円程度です。
民間業者に依頼した場合は、少し金額が高めとなります。
小型犬や猫は3万円、大型犬は4万円程と設定している所が多いです。
個別で火葬して立ち合いたい場合は、オプション料金がかかることがあります。
業者によって料金が変わるため、火葬前に確認しておきましょう。
自分で行うのであれば、道具を揃える費用のみなので、500円程度で済むでしょう。
もし業者に依頼するのであれば、粉骨費用の相場は5千円〜2万円です。
機械であれば5千円〜1万円程度ですが、手作業で行う場合は少し費用が高くなります。
見学や立ち合いを行える業者は、さらにオプション料金がかかることもあります。
海や空へ散骨する場合、業者に依頼する方が多いでしょう。
個人でヘリコプターや船をチャーターするのは、手間がかかるためです。
海への散骨費用は、1万円〜30万円と幅広くなっています。
遺族が立ち会わずに業者へ依頼する場合は、他のペットの遺骨をまとめて散骨するため、1万円〜3万円と安くなります。
遺族が立ち会って船を貸し切りでチャーターする場合は、30万円前後かかることもあります。
また空への散骨費用は、最も高額です。
ヘリコプターをチャーターする場合は、数十万円の費用がかかるでしょう。
さらに宇宙葬であれば、数百万円もの費用がかかることもあります。
いずれも散骨する前に見積もりを取り、きちんと料金を確認しておきましょう。
ペットを散骨する場合、法的な規制は特にありませんが、いくつか注意しておくべきポイントがあります。
ここでは、ペットを散骨する際の注意点について解説していきます。
散骨する際は、遺骨を必ず粉骨しなければいけません。
遺骨をそのまま海や山に撒いてしまうと、発見した人が事件だと思い通報してしまう可能性があるためです。
なるべくペットをそのままの形で埋葬したいと考える方も多いかもしれませんが、事件化させないためにも、散骨の際は必ず粉骨しましょう。
ペットの散骨は、法律的に規制はありません。
しかし、人の目に触れる場所で、散骨を行うのはやめておきましょう。
いくらパウダー状にしていても、骨を撒くという行為に嫌悪感を持つ人もいるためです。
特に海水浴場や観光地であれば、楽しく過ごしている人が多いでしょう。
散骨する際は人目につかない場所で、トラブルにならないように行いましょう。
ペットを偲ぶため、遺骨と一緒にさまざまな物を添えたいと考える方も多いでしょう。
しかし山でおやつなどと一緒に散骨すると、虫などが湧いてしまう可能性があります。
また海洋散骨で花を一緒に撒きたい場合は、環境へ配慮してリボンやテープなどは流さないようにすることが大切です。
きちんとマナーを守って散骨を行うことで、ペットを偲ぶことができます。
小さいペットであれば、自宅の庭で火葬できると考える方もいるでしょう。
しかしペットの遺体は法律上、廃棄物扱いとなります。
つまり庭で火葬することは、野焼き行為とみなされて法律違反になる恐れがあります。
そのため火葬は個人でせずに、必ず火葬場へ依頼しましょう。
一度散骨してしまうと、遺骨を戻すことはできないため、よく考えて散骨することを決めるのが大切です。
ここでは、散骨以外の供養方法についてご紹介します。
ペット霊園は、名前の通りペット専用の霊園のことで、人と同じようにお墓への埋葬・法要をして、ペットを供養します。
一般的には他のペットと合同で埋葬するケースが多いですが、中には個別で埋葬できるペット霊園もあり、墓石をきちんと選んでお供え物をできる所もあります。
ペット霊園が所有する納骨堂へ納めることもできます。
納骨堂は専用スペースに、ペットの遺骨が入った骨壺を納めてくれます。
またロッカーのように区分けされた箇所に、骨壺を置いて保管する納骨堂もあります。
遺影やお供え物、思い出の品などを置けるので、定期的に来られるのが魅力です。
特定のシンボルツリーの下に、粉骨した遺骨を埋葬する方法です。
他のペット達と合同で埋葬する合祀タイプや、個別の区画にそれぞれ埋葬するタイプがあります。
ペットが自然の中で走り回るのが好きだった場合や、遺骨を自然に還したいと考える方で選ぶケースが多いです。
庭がないけれど、近くの土に埋葬したい場合、プランターに埋葬することもできます。
ハムスターや小鳥といった小さいペットを埋葬する方は、プランター葬を選択される方が多いです。
プランターの土に埋葬し、綺麗なお花を一緒に植えると良いでしょう。
ただしベランダで行うため、悪臭を放ったり害虫が発生したりしないように注意が必要です。
手元供養の形式はさまざまです。
ペットだけの仏壇を購入する方もいれば、先祖が祀ってある仏壇で供養する方もいます。
仏壇を置く場所がない方は、部屋の隅に骨壺を置くスペースを作って、供養することもできます。
カビの発生を防ぐためにも、直射日光があたらず風通しの良い場所で弔ってあげましょう。
他にもネックレスやブレスレットといったアクセサリーに遺骨の一部をいれる方法もあります。
いつでも身につけておくことができるため、ペットと離れたくないという思いが強い方が選ぶ傾向にあります。
生前の姿を保存したい方は、はく製にして供養するという方法もあります。
内臓などを取り出し、しっかりと防腐処理をする必要があります。
はく製を長持ちさせるためにも、高温多湿の場所は避けて、直射日光が当たらない場所に飾ると良いでしょう。
この記事では、ペットの散骨方法について解説しました。
法的な規制がないため、海や山、空などさまざまな場所に散骨できます。
ペットをきちんと偲ぶためにも、人目につかない場所でルールを守って散骨しましょう。
また散骨は一度すると元に戻らないため、よく考えることが大切です。
埋葬する方法はたくさんあるため、しっかりと考えてから散骨を行いましょう。
天井 十秋
10年以上に渡り、全国の海域で散骨を行って参りました。
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