◇散骨を依頼するには?必要な準備と流れ
散骨は、自然葬の一つで、家族のあり方が昔とは変わってきた今、墓地の管理が難しいと感じている人に注目されている葬送の方法です。
散骨をするにはどのような手続きが必要なのか、何か特別な届け出が必要なのか?と迷っている方のために、散骨を依頼するところから実際に散骨を行うまで、どのような流れで進んでいくのか、わかりやすく説明します。
散骨にしたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
まず、散骨をするにあたって、役所に届出をしなければならないなどの法律はありません。散骨自体は、法律による規制はありませんので、届出などがなくても行うことができます。
ただし、人が亡くなった場合には死亡届や火葬許可証等の書類が必要です。
まず、医師から死亡診断書が発行されますので、役所に亡くなったことを届け出て、火葬(埋葬)許可証を発行してもらいます。火葬は勝手にできないので注意してください。
ただ、このような手続きは、葬儀社が代行してくれることが多いので、面倒なことはお願いしてしまった方が良いでしょう。
火葬が終わると、火葬場がその証明書を発行してくれます。火葬許可証に証明印などを押してくれますので、それが埋葬許可証となります。この書類があれば、散骨ができるようになります。
墓地に埋葬しているご遺骨を取り出して散骨する場合には、お寺等から「改装許可証」を求められることがあります。
これは、次の埋葬先があるかどうかを確認するためで、改装許可証がなければご遺骨を渡せないとするお寺もあります。散骨をする場合には原則として不要なのですが、どうしても必要だという場合には散骨業者に受入証明書などを発行してもらうと良いでしょう。
お墓から勝手に掘り出すことはできませんので、石材店等に依頼をし、墓石を取り除いた上でご遺骨を取り出します。
お手元で供養していた場合には、墓じまいなどをする必要もなく、ご遺骨も比較的良い状態であると考えられます。
火葬(埋葬)証明書をお持ちのはずですので、その書類があれば問題ありません。役所等へ届け出る書類もありませんので、あとは散骨業者を決めて契約をすれば大丈夫です。
散骨にはいくつか種類がありますが、最も多く行われている方法として、海洋散骨を例にして説明しましょう。
海洋散骨は、基本的に日本全国どこでもできるのですが、観光地など一部場所が制限されているところもあります。
例えば、熱海市では、散骨にあたってのガイドラインが定められています。無秩序な散骨によって、観光地・熱海のイメージが損なわれることのないように、夏場は控えること、陸地から10キロ以上離れた海域で行うことなどが取り決めがありますので、これに従わなくてはなりません。
他にも自治体によって様々な制限がありますので、自分が希望している場所で散骨が行えるのかどうかを調べましょう。
海洋散骨には、このような形があります。
まずは、どの形態にするかを考えましょう。それによって費用も変わってくるからです。
海に出て散骨ができればそれでいいという方もいれば、時間をかけて故人を偲びたいという方もいらっしゃいます。
船の上で、家族で食事をしながらゆっくり過ごしたいという希望をお持ちの方もいるので、どのような散骨式にしたいのかを考えましょう。
やり方と場所がだいたい決まれば、それに対応してくれる業者を探して、契約します。
散骨をするには、どのような流れで手続きが進んでいくのか、わかりやすく説明します。
主に、このような流れになります。
散骨は、自分で行うこともできますが、基本的には業者に依頼して行います。海洋散骨の場合には、沖の方まで出て行う必要があることから、船をチャーターしなくてはなりません。個人でチャーターするよりも、業者に頼んで散骨の儀式まで一貫して行った方が良いでしょう。
業者が決まれば、必要な費用を支払い、ご遺骨を預けます。
散骨するためには、ご遺骨を細かいパウダー状にしなくてはなりません。ご遺骨の形のまま海に撒いてしまいますと、遺棄罪に問われる可能性がありますので、注意してください。
粉骨は、散骨業者が同時にやってくれる場合が多いです。
火葬したばかりのご遺骨であれば、すでに乾燥していますので、粉骨をするだけで済みます。ただ、埋葬されていたご遺骨の場合は、汚れていることもありますので、しっかり洗浄してから乾燥させ、粉骨をするという流れになります。
いよいよ散骨式の実施です。
一緒に海に出る場合、この時が故人とのお別れの時になります。船上から散骨をし、献花や献酒を行い、故人を偲びます。
実際に海に出ていけるのがいつになるのか、それは散骨のやり方によって違ってきます。
例えば、自分が現地には行かず、業者に代理散骨を頼んだ場合には、他のご遺骨と合同で散骨を行いますので、日時の指定はできないことがほとんどです。ご遺骨が集まり次第行いますので、2~3ヶ月ごとに行なっている業者が多いです。
また、いくつかのご家族が合同で散骨を行う場合も、日程調整が必要になります。
それに対して個別の散骨は1家族で船をチャーターしますので、日程もある程度希望に添える形となるでしょう。
散骨業者を選ぶときには、
などを考慮して決めます。
特に費用は大事で、安さだけで決めてはいけません。後から追加請求されることもありますので、どのような費用が必要なのか、わからないことは細かいことでもきちんと確認するようにしてください。
業者の選び方には、こちらの記事でも詳しく解説しています。